子宮内膜の厚さと着床率の関係|理想的な厚さと薄い場合の対策を解説
赤ちゃんを迎えるための「ベッド」に例えられる子宮内膜。この子宮内膜の厚さが、受精卵の着床率に大きく影響することは広く知られています。
「いったい何ミリあれば着床しやすいの?」
「子宮内膜が薄いと言われたら、もう妊娠は難しいの?」
このような不安を感じている方もいるかもしれません。この記事では、子宮内膜の厚さと着床率の関係について、科学的なデータに基づいて分かりやすく解説します。
1. 着床しやすい子宮内膜の厚さは何ミリ?
一般的に、子宮内膜は8mm以上あると着床しやすいとされています。多くのクリニックでも、体外受精の際には8mm以上を一つの目安としています。
ただし、これはあくまで目安です。
子宮内膜の厚さが10mm前後、人によっては12~13mmになることもあり、厚いほど着床率が高くなる傾向があります。一方で、6mm未満だと一般的に「薄い」と判断され、着床率が下がるというデータもあります。
【知っておきたいこと】
子宮内膜の厚さは絶対的なものではありません。6mm未満でも妊娠するケースはありますし、逆に10mm以上あっても着床しないこともあります。子宮内膜の厚さだけでなく、**「質」や「機能」**も着床には欠かせない要素です。
2. 子宮内膜が薄いと言われた場合の主な原因
子宮内膜がなかなか厚くならない場合、以下のような原因が考えられます。
ホルモンバランスの乱れ: 子宮内膜の成長を促す**エストロゲン(卵胞ホルモン)**が不足している可能性があります。
血流不全: 子宮への血流が悪いと、子宮内膜に栄養やホルモンが届きにくくなり、厚くなりにくくなります。
過去の手術: 流産や中絶時の子宮内掻爬手術、帝王切開などの影響で子宮内膜がダメージを受けている場合があります。
子宮の病気: 子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気が原因で、子宮内膜の環境が悪化していることもあります。
原因を特定するためにも、まずは医師に相談することが大切です。
3. 子宮内膜を厚くするための具体的な対策
子宮内膜を厚くするためには、医療機関での治療はもちろん、日常生活でできることもあります。
医療機関での対策
ホルモン補充療法: ホルモン剤を使って子宮内膜を成長させる治療法です。
血流改善薬: 子宮への血流を良くするための薬が処方されることがあります。
子宮内膜再生治療: 自身の血液から抽出した成分(PRPなど)を子宮内に注入し、子宮内膜の再生を促す新しい治療法も研究・実施されています。
日常生活でできること
体を温める: 冷えは血流を悪くする大きな原因です。お風呂にゆっくり浸かったり、温かい飲み物を摂るなどして、体を温めることを心がけましょう。
バランスの取れた食事: ビタミンEやL-アルギニンなど、血流改善やホルモンバランスを整える働きが期待される栄養素を意識して摂るのも良いでしょう。
適度な運動: ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かすことで、全身の血流が改善されます。
ストレスをためない: ストレスはホルモンバランスを乱す原因になります。自分に合ったリラックス方法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
まとめ
子宮内膜の厚さは、着床率に影響する重要な要素の一つですが、それが全てではありません。
理想的な厚さは8mm以上とされていますが、個人差や他の要因も関係します。
子宮内膜が薄い場合でも、原因を特定し、適切な対策を取ることで改善が期待できます。
「もしかして自分は薄いかも?」と不安に感じている方は、まずは婦人科や不妊治療専門のクリニックで相談してみることをおすすめします。専門家と一緒に、赤ちゃんを迎えるための体づくりを進めていきましょう。