雹で車がボコボコに…「直さない」という選択はあり?知っておきたいリスクと対策
突然の雹によって、愛車がボコボコになってしまった…。ショックな気持ちと同時に、「修理には高額な費用がかかるし、このまま直さないで乗り続けようかな」と考える方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、雹でできた車のへこみをあえて直さないという選択をした場合に、どんなリスクやデメリットがあるのか、そして、それでも乗り続けるための対策について、詳しく解説します。大切な愛車の今後について、一緒に考えていきましょう。
雹で車がボコボコになるのはなぜ?
雹は、積乱雲の中で何度も上昇・下降を繰り返すうちに、氷の粒がどんどん大きくなって地上に降ってくる現象です。特に大きな雹が猛スピードで車に当たると、その衝撃でボディがへこんでしまいます。
へこみの大きさは、雹のサイズや降ってきた勢いによってさまざまです。
小さなへこみ: 小さな雹が降った場合や、カバーなどで保護されていた場合。
大きなへこみ: 直径数センチ以上の大きな雹が降った場合。ルーフ(屋根)やボンネットなど、平らな部分に特にできやすいです。
雹のへこみを「直さない」ことの5つのリスク
「へこみくらいなら…」と安易に考えてしまいがちですが、雹によるへこみを放置することには、いくつかのリスクが伴います。
1. 査定額が大幅に下がる
車を売却する際、査定士は車の状態を細かくチェックします。雹によるへこみは、明確なマイナスポイントとなり、査定額が大幅に下がってしまうことがほとんどです。「ボコボコの車」は、買い手にとっても敬遠されがちです。
2. 塗装が剥がれてサビの原因になる
へこみができた部分の塗装が、目に見えなくても小さなヒビ割れを起こしている可能性があります。このヒビから雨水などが浸入すると、時間の経過とともに金属部分がサビてしまい、最悪の場合、ボディに穴が開くことも考えられます。
3. 事故車扱いになる可能性
ひどい雹害は、板金修理が必要な「修復歴」には該当しないことが多いです。しかし、見た目が大きく損なわれている場合、「事故車」として扱われる可能性はゼロではありません。中古車として売却する際、説明責任が生じることもあります。
4. 視界を妨げる危険性
特にルーフやボンネットのへこみがひどい場合、太陽光の反射によって視界が妨げられることがあります。運転中に光が乱反射し、前方が見えにくくなるなど、思わぬ事故につながる危険性も否定できません。
5. 気持ちの問題
へこんだ車を見るたびに、ショックな気持ちが蘇ったり、少し恥ずかしい思いをしたりすることも。「ボコボコの車」に乗っていることに抵抗を感じる人もいるでしょう。車の見た目は、所有者の気分にも大きく影響します。
「直さない」と決めた場合の対策
それでも、経済的な理由などでどうしても修理が難しい場合は、以下の対策を検討してみましょう。
カーカバーの利用: 今後また雹が降る可能性に備え、厚手のカーカバーを常備しておきましょう。
へこみ隠し: 塗装が剥がれていない軽度なへこみであれば、専用のステッカーなどで目立たなくする方法もあります。ただし、サビ対策にはなりませんので注意が必要です。
定期的なメンテナンス: へこみ部分のサビの進行を遅らせるため、ワックスをこまめにかけたり、専門業者に相談して簡単なコーティングを施したりするのも一つの手です。
雹のへこみ、修理するなら?
雹のへこみの修理方法には、主に「デントリペア」と「板金塗装」の2種類があります。
デントリペア: 塗装に傷がない小さなへこみの場合、特殊な工具を使って裏側から押し出し、元の形に戻す方法です。比較的安価で短期間で修理できます。
板金塗装: へこみが大きく、塗装に傷やヒビがある場合、へこみを修正した上で再塗装する方法です。費用は高くなりますが、綺麗に元の状態に戻すことができます。
雹による被害は、車両保険の補償対象となる場合がほとんどです。保険を使うと等級が下がって保険料が上がるデメリットもありますが、自費で修理するよりも費用を抑えられる可能性が高いです。まずは加入している保険会社に相談してみることをおすすめします。
まとめ:「直さない」は慎重な判断が必要
雹で車がボコボコになってしまった場合、「直さない」という選択は可能です。しかし、査定額の低下やサビ、安全性の問題など、多くのリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
愛車を長く乗り続けたい、将来的に売却を考えているという方は、修理を検討することをおすすめします。まずは保険会社に相談し、どの程度の費用がかかるのか、どんな修理方法があるのかを調べて、後悔のない選択をしてくださいね。