お盆って一体何?ご先祖様をお迎えする意味と大切な過ごし方

 


お盆の時期になると、提灯や飾り付けを見かけたり、お墓参りの準備をしたりと、何かと忙しくなりますよね。でも、「お盆って具体的に何をすればいいの?」「どんな意味があるんだろう?」と、改めて疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、お盆の本当の意味から、いつ、何をすれば良いのか、そして期間中に避けるべきことまで、分かりやすく徹底的に解説します。ご先祖様への感謝の気持ちを伝え、家族の絆を深めるためのお盆を、今年はもっと有意義に過ごしてみませんか?


お盆の「意味」とは?ご先祖様との再会を祝う期間

お盆は、日本に古くから伝わる大切な仏教行事の一つです。正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、ご先祖様の霊があの世から私たちの家に戻ってくるとされている期間を指します。私たちは、この期間にご先祖様を心を込めてお迎えし、供養することで、日頃の感謝を伝え、家族の絆を深めます。

お盆の起源:インドの「盂蘭盆経」

お盆のルーツは、インドの仏教説話「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」にあると言われています。お釈迦様の弟子である目連(もくれん)尊者が、亡き母が餓鬼道で苦しんでいることを知り、お釈迦様のアドバイスを受けて供養を行ったところ、母が救われたという話です。この話が中国を経て日本に伝わり、ご先祖様を供養する「お盆」という風習が定着しました。

日本ならではの風習との融合

仏教の教えが基盤にありますが、日本では古くからあった祖先崇拝の風習と結びつき、独自の文化として発展しました。提灯を飾ったり、きゅうりの馬やナスの牛を作ったりといった飾り付けは、ご先祖様が迷わず家まで来られるように、そしてあの世へ戻られる際に困らないようにという、温かい「おもてなし」の心が込められています。


いつからいつまで?地域で異なるお盆の期間

お盆の期間は、地域によって少しずつ異なります。大きく分けて、以下の3つのパターンがあります。

  1. 新盆(しんぼん/東京盆): 7月13日〜16日

    • 主に関東地方や一部の地域で行われます。

  2. 旧盆(きゅうぼん/月遅れの盆): 8月13日〜16日

    • 日本全国で最も一般的に行われている期間です。

  3. 旧暦のお盆: 旧暦の7月15日を中心に行われます。

    • 沖縄など、一部の地域で見られます。

ご自身の地域やご実家の宗派によって異なる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。


お盆期間中、何をすればいい?やることリスト

お盆の期間は、ご先祖様が家に滞在される期間です。心を込めてお迎えし、日々の感謝を伝えましょう。

お盆入り(13日)

ご先祖様をお迎えする準備をする日です。

  • 盆棚(精霊棚)の設営と飾り付け:

    • 仏壇とは別に、ご先祖様をお迎えするための祭壇(盆棚)を設けます。

    • 真菰(まこも)のゴザを敷き、位牌を安置します。

    • きゅうりの馬とナスの牛、季節の野菜や果物、水の子(洗った米と刻んだナスなどを混ぜたもの)、故人の好物などを供えます。

  • 盆提灯を飾る: ご先祖様が迷わず帰ってこられるように、目印となる提灯を灯します。

    • 初盆(新盆)の場合は、特別な白い提灯を飾ります。

  • 迎え火を焚く: 夕方、玄関先や庭で麻がら(おがら)を焚き、ご先祖様を家まで案内します。マンションなどで火を焚けない場合は、提灯の明かりやLEDライトで代用したり、線香を焚いたりしても良いでしょう。

お盆の中日(14日・15日)

ご先祖様が家に滞在されている期間です。

  • お供え物を毎日交換する: 水の子や精進料理は傷みやすいので、毎日新しいものに替えます。

  • お線香をあげる: 毎朝晩、お供え物の交換時などに、感謝の気持ちを込めてお線香をあげましょう。

  • お墓参りに行く: お盆期間中に、家族でお墓を訪れ、きれいに掃除をしてお花や線香を供え、ご先祖様にご挨拶をします。

  • 家族で食事を囲む: ご先祖様も家族との時間を楽しみにされています。一緒に食卓を囲み、故人の思い出話をするのも大切な供養です。

  • 僧侶にお経をあげてもらう(初盆の場合など): 初盆の場合は、親戚を招いて法要を営むことが多いです。

お盆明け(16日)

ご先祖様をあの世へお見送りする日です。

  • 送り火を焚く: 夕方、迎え火と同様に麻がらを焚き、ご先祖様をあの世へとお見送りします。地域によっては「精霊流し(しょうりょうながし)」を行う場所もあります。

  • 盆棚の片付け: 送り火が終わったら、盆棚の飾り付けを片付けます。お供え物などは、地域のごみ出しルールに従って適切に処分しましょう。


お盆期間中に「避けるべきこと」とされていること

お盆はご先祖様をお迎えする神聖な期間とされており、いくつかの「避けるべきこと」があるとされています。これらは、ご先祖様への配慮や、お盆の伝統的な考え方に基づいています。

  1. 殺生を避ける:

    • お盆は命を尊ぶ期間とされています。殺生は控えるべきとされており、肉や魚を使わない精進料理をお供えするのもこのためです。釣りや狩りなども避けるのが一般的です。

  2. 派手な行動や旅行:

    • ご先祖様が帰ってこられている期間なので、派手な遊びや宴会は避け、静かに過ごすことが望ましいとされます。

    • 長期の旅行も、ご先祖様が家に戻ってきた時に誰もいない、という状況を避けるために控えるのが一般的でした。しかし、現代では帰省ラッシュを避けてお盆期間外に旅行する家庭も増えています。

  3. 引越しや結婚式などのお祝い事:

    • お盆は故人を偲ぶ期間であり、新しく物事を始めるのには不向きと考える人もいます。しかし、これはあくまで伝統的な考え方であり、最近では気にしない方も多いです。

  4. 川や海での水遊び(特に盆明け):

    • 一部の地域では、お盆に帰ってきたご先祖様の霊が川や海を通り、現世に留まることを避けるため、水難事故に遭いやすいとされています。特に「お盆明けの海には入るな」という言い伝えはよく知られています。科学的根拠はありませんが、海や川の事故が多い時期であることは事実なので、安全には十分注意しましょう。

  5. 夜間の外出を控える:

    • これも地域や宗派による違いがありますが、ご先祖様の霊が帰ってくる夜間は外出を控えるという考え方もあります。特に、盆入りの迎え火の後や盆明けの送り火の後は、ご先祖様の霊が移動する時間帯とされます。

これらの「避けるべきこと」は、あくまで伝統や言い伝えに基づいたものです。現代の生活様式に合わせて、家族で話し合い、無理のない範囲で心を込めてお盆を過ごすことが何よりも大切です。


初盆(新盆)は特に丁重に

故人が亡くなってから、四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆を「初盆(はつぼん)」または「新盆(にいぼん/しんぼん)」と呼びます。故人の霊が初めて家に帰ってくるため、通常のお盆よりも丁重に供養するとされています。

  • 白提灯を飾る: 通常のお盆提灯とは別に、白い無地の提灯を飾ります。これは故人の霊が迷わず家に帰れるようにするための特別な目印です。初盆が終わったら、この白提灯は処分(お焚き上げなど)するのが一般的です。

  • 法要を営む: 親戚や知人を招いて僧侶にお経をあげてもらう「初盆法要」を行うことが多いです。

  • 服装: 法要を行う場合は、喪服やそれに準ずる地味な服装で参列するのが一般的です。


まとめ:心を込めてご先祖様に感謝を伝えよう

お盆は、単なる休日ではなく、私たちとご先祖様との絆を再確認する、非常に大切な日本の文化です。形式にとらわれすぎず、ご先祖様への感謝の気持ちを込めて、心を込めてお迎えし、お見送りすることが何よりも重要です。

この記事を参考に、今年のあなたはご自身のルーツと向き合い、家族の温かさを感じる素敵なお盆を過ごせるはずです。

ご先祖様が、きっとあなたの優しい気持ちを感じ取ってくださるでしょう。

このブログの人気の投稿

佐川急便の「お届け日数」を徹底解説!土日や北海道への配達は?

佐川急便の荷物を「PUDO」で受け取る!場所変更の全ガイド&知っておきたい注意点

「不在票なしで返送!?」佐川急便の「持ち戻り」で困った時のクレーム・対処法ガイド