四十九日のお供え、何を選べばいい?相場から掛け紙の選び方まで徹底解説
「大切な方の四十九日法要に呼ばれたけど、お供えって何を持っていけばいいの?」
「のし紙(掛け紙)の書き方や、金額の相場も分からなくて不安…」
親しい方を亡くされてから初めて迎える四十九日(しじゅうくにち)法要は、故人様が極楽浄土へ旅立つとされる大切な節目です。この大切な法要に参列する際、「お供え」をどうすれば良いか悩む方は少なくありません。
この記事では、四十九日のお供えに関する疑問をすべて解消! 何を選べば良いのか、気になる相場(金額)、そして「これで完璧!」と自信が持てる掛け紙(のし紙)の選び方と書き方まで、失礼なく気持ちを伝えるためのポイントを詳しく解説します。大切な法要に、心を込めたお供えを用意しましょう。
四十九日法要とは?お供えの「意味」を知ろう
四十九日法要は、故人様が亡くなられてから49日目に行われる法要で、この日をもって忌明け(きあけ)となります。この期間、故人様の魂はあの世とこの世をさまよい、49日目に次の世界(極楽浄土など)へ旅立つとされています。
お供え物には、故人様への感謝の気持ちを表し、冥福を祈る意味が込められています。また、参列者やご遺族への配慮も大切です。
どんなお供え物が喜ばれる?選び方の基本ルール
お供え物を選ぶ際には、いくつかの基本的なルールがあります。
1. 「後に残らないもの」が基本
香典返しなどの「消え物」と同様に、お供え物も**「後に残らないもの」**が基本とされています。これは、「悲しみを後に残さない」という意味合いが込められています。
食べ物: 個包装のお菓子、果物、お茶、コーヒー、ジュースなど
消耗品: 線香、ろうそく、お花など
2. 日持ちするもの・個包装のものが喜ばれる
法要には遠方から参列する方もいるため、日持ちするものが喜ばれます。また、法要後、ご親族や参列者で分けやすいように、個包装になっているものを選ぶと親切です。
3. 故人様が好きだったものも◎
故人様が生前好きだったお菓子やお酒などをお供えするのも、故人様への供養となり、ご遺族にも喜ばれることが多いです。ただし、故人様が好きだったからといって、ご遺族が扱いに困るようなもの(生ものや大きすぎるものなど)は避けましょう。
4. 仏教でのタブーに注意(殺生を連想させるものなど)
仏教では、「殺生(せっしょう)」を連想させるものはタブーとされています。
肉、魚(生もの): 基本的に避けるのがマナーです。
お酒: ご遺族の意向によっては問題ない場合もありますが、一般的には避けるか、事前に確認するのが無難です。
四十九日のお供え物:おすすめの品目と相場
具体的にどんなお供え物が良いのか、相場と合わせてご紹介します。
1. お菓子(最も一般的で喜ばれる)
最も選ばれることの多いお供え物です。日持ちがして、個包装のものが多数あります。
種類: 焼き菓子(クッキー、マドレーヌ)、和菓子(おかき、せんべい、羊羹)、ゼリー、カステラなど
相場: 3,000円〜5,000円程度
ポイント: 有名ブランドの品や、故郷の銘菓なども喜ばれます。
2. 果物(見栄えも良く健康的)
季節の果物も、見栄えが良く、健康的なお供え物として人気です。
種類: りんご、みかん、メロン、ぶどう、なしなど(季節のもの)
相場: 3,000円〜5,000円程度
ポイント: 丸い形は縁起が良いとされ、傷みにくいものを選びましょう。籠盛りにすると見栄えが良くなります。
3. 飲み物(分けやすく消費しやすい)
日常的に消費できる飲み物も、重宝されます。
種類: コーヒー(ドリップパックなど)、紅茶、お茶の葉、ジュース、缶詰の飲み物など
相場: 2,000円〜4,000円程度
ポイント: 個包装のドリップコーヒーやティーバッグは、手軽に分けられるので特におすすめです。
4. 線香・ろうそく(仏事には欠かせない消耗品)
仏壇で日常的に使う消耗品なので、必ず喜ばれます。
種類: 匂いの少ない線香、煙の少ない線香、絵ろうそくなど
相場: 2,000円〜5,000円程度
ポイント: 香りが強いものは避けるなど、ご遺族の好みに配慮できるとより良いでしょう。
5. お花(場を和ませる供養の気持ち)
故人様を偲び、供養の気持ちを表すお花は、お供え物として非常に重要です。
種類: 白を基調とした菊、カーネーション、ユリ、トルコギキョウなど。棘のあるバラや、香りが強すぎる花は避けるのが一般的です。
相場: 5,000円〜10,000円程度
ポイント: 法要会場に直接送る場合は、事前にご遺族に確認しましょう。供花スタンドやアレンジメントなど、形式も確認が必要です。
「掛け紙(のし紙)」の選び方と書き方、渡し方
お供え物には、適切な掛け紙(のし紙)をかけるのがマナーです。
掛け紙(のし紙)の選び方
水引の種類:
結び切り(黒白または黄白): 一度きりであってほしい慶事・弔事に使われます。四十九日は「二度と繰り返さない」という意味合いから、結び切りを選びます。
あわじ結び: 結び切りと同じく、一度きりという意味合いを持つため、弔事にも使用できます。特に西日本でよく用いられます。
掛け方:
外のし: 品物の外側に掛ける方法。贈答品であることが一目でわかるため、手渡しの場合によく用いられます。
内のし: 品物に直接掛け紙をかけ、その上から包装紙で包む方法。控えめな印象で、郵送の場合などによく用いられます。
表書きの書き方
掛け紙の上部(水引より上)には、表書きを記入します。
四十九日法要の場合:
仏式: 「御供」「御仏前」「御供物」
神式: 「御玉串料」「御神前」「奉献」
キリスト教式: 「御花料」「御ミサ料」
共通: 「御供」はどの宗教・宗派でも使えるため、迷った際は「御供」を選んでおけば間違いありません。
宗派が不明な場合: 「御供」が無難です。
氏名の書き方
掛け紙の下部(水引より下)には、贈り主の氏名を記入します。
個人で贈る場合: フルネームで記入します。
連名で贈る場合: 目上の人から順に右から記入します。3名以上の場合は代表者名のみを書き、「他一同」や「他〇名」と添え、別紙に全員の氏名を記載して中に入れると丁寧です。
会社名で贈る場合: 会社名の後に代表者名を記入します。
渡し方のマナー
法要の開始前: 施主への挨拶の際に、一言添えて手渡しするのが一般的です。「心ばかりでございますが、お供えください」などと伝えましょう。
紙袋や風呂敷から出して渡す: 持ち運びの際に使用した紙袋や風呂敷から出し、表書きが相手に読める向きにして両手で渡します。
まとめ:故人様への想いを込めて、心を伝えるお供えを
四十九日法要のお供えは、故人様への感謝と供養の気持ち、そしてご遺族への配慮を示す大切なものです。
「何を選べばいいんだろう…」と悩んでしまうかもしれませんが、今回の記事でご紹介した選び方のポイントや相場、掛け紙のマナーを押さえておけば大丈夫です。故人様を偲ぶ気持ちを第一に、ご遺族が負担に感じないような、適切な品物を選びましょう。
心を込めて選んだお供え物が、故人様の旅立ちと、ご遺族の悲しみを癒す一助となることを願っています。