新盆見舞いとは?香典の表書きマナー・おすすめのお供えを解説
初めて迎えるお盆、特に故人が亡くなってから四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆は「新盆(にいぼん・しんぼん)」と呼ばれ、故人の魂が初めて家に帰ってくる大切な時期とされています。ご遺族にとっては、悲しみが癒えない中での準備となり、何かと戸惑うことも多いのではないでしょうか。
そんなご遺族を想い、親族や故人と親しかった方が贈るのが「新盆見舞い(にいぼんみまい・しんぼんみまい)」です。しかし、「何を持っていけばいいの?」「香典の表書きはどうすればいいの?」など、いざとなると迷ってしまう方も多いはず。
今回は、新盆見舞いの基本的な意味から、香典の表書きマナー、そしておすすめのお供え物まで、新盆を迎える方、そして新盆見舞いを贈る方が知っておきたい情報を分かりやすく解説します。大切な故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちを伝えるための参考にしてくださいね。
1. 新盆(にいぼん・しんぼん)とは?なぜ新盆見舞いを贈るの?
新盆見舞いの意味を知る前に、まず「新盆」がどのようなものか理解しておきましょう。
新盆(にいぼん・しんぼん)とは?
新盆とは、故人が亡くなってから四十九日を過ぎて、初めて迎えるお盆のことです。
通常のお盆: 毎年8月13日〜16日(一部地域では7月13日〜16日)に行われ、先祖の霊を自宅にお迎えし、供養する期間です。
新盆: 故人の魂が初めて家に戻ってくるため、通常のお盆よりも手厚く供養を行うのが一般的です。白提灯を飾ったり、精霊棚(しょうりょうだな)を設けたりして、故人を丁重にお迎えします。
四十九日前に亡くなった場合は、翌年のお盆が新盆となります。例えば、〇月〇日に亡くなり、四十九日が過ぎて初めて8月を迎える場合が新盆です。
なぜ新盆見舞いを贈るの?
新盆見舞いは、故人の初めてのお盆に際し、ご遺族へのお悔やみの気持ちと、故人への供養の気持ちを表すために贈られます。故人への感謝を伝え、ご遺族の心労を労わる意味合いも含まれています。
特にお盆は、親族や故人と親しかった方々が集まる機会でもあります。新盆見舞いは、その際に持参する、または事前に贈るものです。
2. 新盆見舞いの「香典」マナー:表書きと金額相場
新盆見舞いとして現金を贈る場合、「香典」として扱われますが、通常のお悔やみとは異なるマナーがあります。
表書きは「御仏前」が一般的
新盆見舞いの香典の表書きは、四十九日を過ぎて故人が仏様になったと考えるため、**「御仏前(ごぶつぜん)」**とするのが最も一般的です。
例外:「御供物料」も可:
地域や宗派によっては「御供物料(おくもつりょう)」としても問題ありません。
絶対に避けるべき表書き:「御霊前」:
「御霊前(ごれいぜん)」は、故人が霊の状態にある四十九日までの期間に使う表書きです。新盆は四十九日を過ぎてから迎えるため、用いないのがマナーです。
水引は、黒白または双銀の結び切りを選びましょう。
金額の相場は?
新盆見舞いの香典の金額は、故人やご遺族との関係性によって異なります。
親族(兄弟姉妹、子、孫など): 10,000円〜30,000円程度
親族(甥姪、いとこなど): 5,000円〜10,000円程度
友人・知人、職場関係: 3,000円〜5,000円程度
【ポイント】
金額に「4」や「9」といった忌み数字(死や苦を連想させる数字)が含まれるのは避けましょう。
偶数も避けるのが一般的ですが、最近では20,000円なども増えています。
地域やご家庭の慣習によって異なる場合があるので、不安な場合は親族や周囲の方に相談してみるのも良いでしょう。
香典袋の選び方と渡し方
香典袋: 水引が印刷されたタイプでも構いませんが、正式には水引がかけられたものを選びます。外袋の裏面には、住所と氏名、金額を記載します。
中袋: 現金は中袋に入れ、中袋の表には金額(旧字体で「金〇萬円」)、裏には氏名と住所を記載します。お札は肖像画が裏向きになるように入れます。
渡し方: 香典は、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがマナーです。お仏壇に手を合わせる前、またはご遺族への挨拶の際に、「この度は、心ばかりですが、御仏前にお供えください」などと一言添えて渡しましょう。
3. おすすめのお供え物と選び方のポイント
香典の他に、お供え物を持参することも一般的です。何を選べば喜ばれるか、選び方のポイントをご紹介します。
仏様へのお供え物の基本「五供(ごくう)」
仏様へのお供えは「五供」が基本とされています。これらを意識して選ぶと良いでしょう。
香(こう): 線香、お香
花(はな): 供花
灯燭(とうしょく): ろうそく
浄水(じょうすい): 水、お茶
飲食(おんじき): お菓子、果物、故人の好物など
新盆見舞いにおすすめのお供え物
提灯(白提灯): 新盆の期間に飾られる白提灯は、故人の霊が迷わず家に帰れるようにとの願いが込められています。ご遺族が用意していない場合や、親しい関係であれば贈ると喜ばれます。
供花(くげ・くようばな):
白を基調とした、故人を偲ぶ気持ちを表す花が一般的です。菊、百合、カーネーションなどが使われます。生花店で「新盆用のお供え」と伝えれば、適切にアレンジしてくれます。アレンジメントやプリザーブドフラワーも良いでしょう。
お菓子:
日持ちがして個包装されているものがおすすめです。故人が好きだったお菓子や、ご遺族が召し上がりやすいような、小分けの和菓子や洋菓子が良いでしょう。ゼリーや水羊羹など、夏場に嬉しい涼菓も喜ばれます。
果物:
丸い形のもの(りんご、メロン、ぶどうなど)や、日持ちがするものを選びましょう。籠盛りにすると見栄えも良く、お供えにも適しています。
線香・ろうそく:
日常的に使う消耗品なので、いくつあっても困りません。故人が好きだった香りの線香や、絵柄の入ったろうそくなど、少し特別なものを選ぶと喜ばれます。最近では、煙の少ないタイプも人気です。
飲み物(ジュース・缶コーヒーなど):
日持ちする個包装の飲み物も、ご遺族にとっては重宝します。故人が生前好きだったものや、来客時に皆で分けられるものが良いでしょう。
缶詰・乾物:
長期保存が可能で、非常時にも役立つので喜ばれます。油、海苔、お茶漬けセットなども選択肢に入ります。
お供え物を選ぶ際のポイント
日持ちするもの、個包装のもの: ご遺族の負担にならないよう、日持ちがして、小分けになっているものを選ぶと良いでしょう。
臭いがきつくないもの: お線香の香りの邪魔にならないよう、臭いのきつくないものを選びましょう。
故人の好きだったもの: もし故人が生前好きだったものがあれば、それをお供えするのも良い供養になります。
派手すぎないもの: 故人を偲ぶ気持ちが第一なので、華美になりすぎない、落ち着いたデザインのものを選びましょう。
のし紙: お供え物には、水引が黒白または双銀の結び切りの「のし紙」をかけ、表書きは「御供(おそなえ/おくう)」とします。
まとめ:故人を偲び、ご遺族に寄り添う新盆見舞いを
新盆は、故人にとって初めてのお盆であり、ご遺族にとっては故人を深く偲び、供養する大切な時期です。新盆見舞いは、そんなご遺族への配慮と、故人への感謝の気持ちを伝えるためのものです。
**新盆見舞いの香典の表書きは「御仏前」**が一般的。
お供え物は、日持ちがして個包装されているものや、消耗品が喜ばれます。
何よりも大切なのは、故人を偲ぶ気持ちと、ご遺族に寄り添う心です。マナーを守りつつ、あなたの温かい気持ちが伝わる新盆見舞いを贈ってくださいね。