「御霊前」の正しいマナー、これで安心!袋の書き方、金額、御仏前との違いまで徹底解説


突然の訃報に接した時、「御霊前」という言葉を目にすることは多いですよね。お悔やみの気持ちを込めてお供えする香典の表書きとして一般的ですが、いざ自分が準備するとなると、

「なんて書けばいいの?」

「中に入れるお金は、どうすればいいんだろう?」

「『御仏前』とどう違うの?」

など、たくさんの疑問が浮かんでくるものです。悲しみの中で準備を進めるのは、心身ともに大きな負担になります。

この記事では、「御霊前」に関する基本的なマナーを分かりやすく解説します。香典袋の選び方から書き方、お金の入れ方、金額の目安、そして混同しやすい「御仏前」との違いまで、これさえ読めばもう迷うことはありません。大切な故人への敬意とご遺族への配慮を示すために、正しい知識を身につけておきましょう。

1.「御霊前」とは?その意味と使うタイミング

「御霊前(ごれいぜん)」は、故人の御霊(みたま)に供える金品という意味を持ちます。故人がまだ霊(魂)の状態で、仏になっていないという考え方に基づいています。

使うタイミング

「御霊前」は、宗教・宗派を問わず、葬儀や告別式といった、故人が亡くなられてから四十九日法要までの期間に広く使われます。

  • 通夜・葬儀・告別式:この期間に香典を持参する場合の表書きは「御霊前」が最も一般的です。

  • 初七日法要(四十九日法要までの場合):こちらも「御霊前」を使うことが多いです。

注意点:使ってはいけない宗教・宗派

「御霊前」は多くの宗教で使えますが、例外もあります。

  • 浄土真宗:浄土真宗では、「人は亡くなるとすぐに仏になる」という教えのため、「御霊前」は使いません。通夜・葬儀・告別式であっても「御仏前」または「御香典」を使用します。

  • キリスト教(カトリック):キリスト教では「御霊前」ではなく「お花料」や「御ミサ料」を使用します。

  • キリスト教(プロテスタント):キリスト教では「御霊前」ではなく「お花料」や「御献金」を使用します。

迷った場合は、宗教・宗派を問わない「御香典(ごこうでん)」と書くのが無難です。

2.香典袋の種類と選び方

香典袋は、中に包む金額によって適切なものを選びましょう。

  • 水引(みずひき)の種類

    • 結び切り:一度きりであってほしい慶事・弔事に使われます。香典では必ず「結び切り」を選びます。

    • あわじ結び:結び切りと同様に、一度きりを願う気持ちが込められています。複雑な結びですが、両端を引っ張るとさらに強く結ばれることから「末永く」という意味合いも持ちます。これも香典に使えます。

    • 蝶結び:何度でも繰り返したい慶事に使われるため、弔事では絶対に使いません

  • 水引の色

    • 黒白の水引:最も一般的です。

    • 黄白の水引:主に関西地方で使われたり、四十九日以降の法要で使われたりすることがあります。

  • 水引の本数

    • 4本、6本、8本:これらは不祝儀には使いません。

    • 5本、7本:これらが一般的です。

  • 印刷された水引の袋

    • 香典の金額が5,000円程度までの場合に使うことが多いです。

  • 本物の水引が付いた袋

    • 香典の金額が10,000円から30,000円程度の場合に選びます。

  • 大金(50,000円以上)を包む場合

    • より豪華な水引で、二重になっているなどの格式高い袋を選びます。

3.「御霊前」の正しい書き方

香典袋の表書きは、薄墨の毛筆か筆ペンで書くのがマナーです。

(1) 表書き(上段)

  • 水引の上に、大きく「御霊前」と書きます。

(2) 氏名(下段)

  • 水引の下に、フルネームで氏名を書きます。

  • 文字は中央に、表書きよりもやや小さめに書くとバランスが良いでしょう。

(3) 複数名で出す場合

  • 連名の場合

    • 代表者の氏名を中央に書き、その左横に続けて他の人の氏名を書きます。

    • 家族で出す場合は、夫の名前を中央に書き、その左横に妻の名前をフルネームまたは名前のみで書きます。

    • 3名までの連名が一般的です。それ以上の場合は、代表者の氏名を中央に書き、左横に「他一同」「外一同」と書き、中に全員の氏名を書いた紙を入れます。

  • 会社として出す場合

    • 会社の代表者名(例:株式会社〇〇 代表取締役 〇〇)を書くか、「〇〇株式会社」と会社名のみを書きます。部署名を入れる場合は、会社名の下に部署名、その下に個人名を記載します。

    • 社員一同で出す場合は、中央に「〇〇一同」と書き、中に全員の氏名を記載した紙を入れます。

(4) 中袋の書き方

香典袋には中袋(内袋)が付いていることがほとんどです。中袋にもきちんと情報を記載しましょう。

  • 表面:包んだ金額を、旧字体(大字)で書きます。「金参萬円也(きんさんまんえんなり)」のように書きます。

    • 一:壱(壱萬円)

    • 二:弐

    • 三:参

    • 五:伍

    • 千:仟

    • 万:萬

    • 円:圓(または円)

  • 裏面:あなたの郵便番号、住所、氏名を記載します。

    • 中袋がない場合は、香典袋の裏面に住所と氏名を記載します。

4.香典に入れるお金のマナーと金額の目安

お札の入れ方や枚数にもマナーがあります。

(1) 新札は避ける

  • 不幸が突然訪れたという意味合いから、新札は避けるのがマナーとされています。

  • もし新札しかない場合は、一度折り目をつけてから包みましょう。

  • 汚れたお札や破れたお札は失礼にあたるので避けましょう。

(2) お札の向きと枚数

  • お札の向き

    • 中袋に入れる際、お札は裏向き(人物の顔が裏側)にして入れます。

    • さらに、お札の人物の顔が中袋の下側に来るように揃えましょう。これは「故人への悲しみを表す」という意味合いがあります。

  • 枚数

    • 不幸を連想させる偶数枚(2枚、4枚など)は避けるのが一般的です。

    • 特に「4(死)」や「9(苦)」を連想させる枚数や金額は絶対に避けましょう。

    • 例えば、1万円なら1枚、3万円なら3枚といった奇数枚にします。ただし、10万円の場合は1枚で問題ありません。

(3) 金額の目安

故人との関係性によって金額は異なります。

  • 両親:5万円~10万円

  • 兄弟・姉妹:3万円~5万円

  • 祖父母:1万円~5万円

  • 親戚(おじ・おばなど):1万円~3万円

  • 友人・知人:5,000円~1万円

  • 職場関係者(上司・同僚・部下):5,000円~1万円

地域の慣習や、ご自身の年齢、相手との関係の深さによっても変わるので、迷ったら親しい方に相談してみるのも良いでしょう。

5.「御霊前」と「御仏前」の違いを徹底解説

最も間違いやすいのが「御霊前」と「御仏前(ごぶつぜん)」の使い分けです。

項目

御霊前

御仏前

意味

故人の御霊に供える

仏となった故人に供える

使う時期

四十九日法要まで(通夜・葬儀・告別式)

四十九日法要以降(年忌法要やお盆など)

主な宗教

仏教(一部宗派除く)、神道、キリスト教

仏教(浄土真宗含む)

四十九日は、故人の魂が成仏し、仏様になる節目の日とされています。そのため、四十九日の法要を境に表書きが変わる、と覚えておくと良いでしょう。

  • 四十九日より前に渡すなら「御霊前

  • 四十九日より後に渡すなら「御仏前

浄土真宗のみ、最初から「御仏前」を使用することを覚えておきましょう。

6.香典の渡し方とその他注意点

  • 袱紗(ふくさ)に包む:香典は、汚れたり折れたりしないよう、袱紗に包んで持参するのがマナーです。弔事用(寒色系)の袱紗を選び、受付で取り出して渡しましょう。

  • 受付で一言添える:「この度は心よりお悔やみ申し上げます」といったお悔やみの言葉を添えて渡します。

  • 現金書留で送る場合:葬儀に参列できない場合は、後日現金書留で送ることも可能です。その際、お悔やみの手紙を添えるとより丁寧です。

まとめ:故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちを込めて

「御霊前」の準備は、突然のことで戸惑うことも多いかもしれません。しかし、香典は単なるお金ではなく、故人を偲び、ご遺族の悲しみに寄り添い、少しでも力になりたいという気持ちを表すものです。

今回ご紹介したマナーや書き方を参考に、心を込めて香典を準備し、大切な故人への敬意とご遺族への配慮をきちんと伝えましょう。あなたの心遣いは、きっとご遺族にとって大きな支えとなるはずです。

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