世帯年収「1000万円以上」はどのくらい?気になる生活レベルと貯蓄の実態
「世帯年収1000万円以上」と聞くと、誰もが「高収入!」「裕福な暮らし!」というイメージを抱くかもしれませんね。しかし、実際にどれくらいの世帯がこの年収層にいるのか、そして実際の生活レベルや貯蓄はどうなっているのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、世帯年収1000万円以上の世帯が日本にどのくらいいるのか、実際の手取り額、そして気になる生活レベルや貯蓄の実態について、データに基づいて詳しく解説していきます。憧れの年収1000万円世帯のリアルな姿を見ていきましょう!
世帯年収1000万円以上の割合は?
まず、日本全体で世帯年収1000万円以上の世帯がどれくらいいるのかを見てみましょう。
厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」によると、世帯年収1000万円を超える家庭の割合は、全体の約11.7%です。これは、およそ9世帯に1世帯の割合に当たります。
「意外と多いな」と感じた人もいるかもしれませんね。しかし、日本の1世帯あたりの平均年収が約524.2万円、中央値が約405万円であることを考えると、世帯年収1000万円はやはり高収入の部類に入ると言えるでしょう。
また、国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、**個人で年収1000万円を超える人の割合は5.5%**にとどまっています。このことから、世帯年収1000万円を達成している家庭の多くは、夫婦共働きで収入を合算しているケースが多いと考えられます。
世帯年収1000万円の手取り額は?
年収1000万円と聞くと、そのまま1000万円が自由に使えるお金だと思いがちですが、実際は税金や社会保険料が差し引かれるため、手取り額はそれよりも少なくなります。
世帯年収1000万円の場合の手取り額の目安は、約700万円~850万円です。
これは、所得税や住民税、社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険など)が差し引かれるためです。年収が高くなるほど税金の負担割合も増えるため、年収が単純に2倍になったとしても、手取りが2倍になるわけではありません。
例えば、夫婦共働きで夫が600万円、妻が400万円の年収の場合と、夫が1000万円で妻が無収入の場合では、手取り額が大きく変わってきます。一般的に、夫婦でバランス良く稼ぐ共働きの方が、税制面で有利になり、世帯全体の手取り額が多くなる傾向にあります。
世帯年収1000万円の生活レベルはどんな感じ?
手取りが700万円~850万円の場合、月々の手取りは約58万円~70万円程度になります。この手取り額であれば、一般的に余裕のある生活を送れると考えられますが、家族構成や住んでいる地域、ライフスタイルによってその感覚は大きく異なります。
1. 住居費
世帯年収1000万円の世帯は、持ち家率が高い傾向にあります。全体の持ち家割合が約68.9%なのに対し、世帯年収1000万円以上の世帯では7割以上が持ち家を所有しています。
賃貸の場合、家賃の目安は月々の手取りの25%〜30%程度と言われています。月手取りが60万円であれば、家賃15万円〜18万円程度の物件を選べます。都心部でなければ、広めのマンションや戸建て賃貸も視野に入り、子ども部屋を確保しやすい間取りも選びやすくなるでしょう。
2. 食費・日用品費
食費や日用品費は、家族の人数や自炊の頻度によって大きく変わりますが、世帯年収1000万円の家庭では、食費に比較的ゆとりを持たせていることが多いです。週に数回外食を楽しんだり、質の良い食材を選んだりする余裕も生まれるでしょう。ただし、外食ばかりだとあっという間にお金はなくなります。
3. 教育費
子どもがいる世帯では、教育費が大きな割合を占めます。世帯年収1000万円以上であれば、子どもの教育に比較的お金をかけられる傾向にあります。例えば、私立学校への進学や、習い事、塾などに多めに費用を充てることも可能です。ただし、大学進学などで私立を選択すると、それでもかなりの費用がかかるため、計画的な貯蓄が重要になります。
4. レジャー・趣味・交際費
旅行や趣味、友人との交際費などにも比較的自由にお金を使える傾向があります。国内旅行だけでなく、海外旅行も年に1回程度は楽しめる家庭も多いでしょう。車も、購入費や維持費を考慮しつつ、選択肢が広がります。
5. 貯蓄・投資
世帯年収1000万円以上の世帯では、貯蓄額も高くなる傾向にあります。金融広報中央委員会の調査によると、世帯年収1000万円〜1200万円未満の世帯の平均貯蓄額は約2556万円、中央値は1000万円です。
しかし、一方で「貯蓄がない」と答える世帯が約10%存在することも事実です。これは、収入が増えた分だけ生活水準を上げてしまい、手元にお金が残らない「高所得貧乏」のような状態に陥るケースがあるためです。計画的な貯蓄や投資を意識しないと、高収入でもなかなか貯蓄が増えない可能性もあります。
世帯年収1000万円の注意点と賢い家計管理
世帯年収1000万円は、確かに経済的に恵まれた層ですが、油断するとお金が貯まらない、という事態も起こり得ます。
税金・社会保険料の負担増: 収入が増えるほど、税金や社会保険料の負担も大きくなります。手取り額は、額面から約2割〜3割減ることを念頭に置きましょう。
子育て支援の対象外になることも: 児童手当など、子育てに関する一部の公的支援は所得制限が設けられており、世帯年収1000万円を超えると対象外になることがあります。
生活水準のインフレに注意: 収入が増えると、ついつい「これくらいなら大丈夫」と生活水準を上げてしまいがちです。外食が増えたり、良いものを買ったりすることで、支出が増え、思ったほど貯蓄ができないケースもあります。
賢くお金を管理するためには、以下のポイントを意識しましょう。
固定費の見直し: 住居費、通信費、保険料など、毎月必ずかかる固定費は、一度見直すと継続的な節約に繋がります。
先取り貯蓄・投資: 給料が入ったらまず貯蓄や投資に回し、残ったお金で生活するように「先取り貯蓄」を習慣にしましょう。株式や投資信託など、資産運用を始めるのも有効です。
ふるさと納税の活用: 所得税や住民税の控除を受けながら、返礼品も楽しめるふるさと納税は、高収入世帯ほど大きなメリットがあります。
家計の見える化: 毎月の収入と支出を把握し、何にお金を使っているかを把握することが、無駄をなくす第一歩です。家計簿アプリなどを活用するのも良いでしょう。
まとめ:世帯年収1000万円は「ゆとり」と「計画性」が鍵
世帯年収1000万円以上は、日本においては紛れもなく高収入層であり、多くの点でゆとりのある生活を送れる可能性を秘めています。しかし、その手取り額や生活レベルは、税金やライフスタイル、家族構成によって大きく変動します。
高収入だからといって安心せず、むしろ計画的な家計管理や資産形成がより重要になってきます。賢くお金を使い、貯め、増やすことで、世帯年収1000万円のポテンシャルを最大限に活かし、真の豊かさを実現できるでしょう。
あなたの家庭のライフプランに合わせて、最適な家計管理を考えてみませんか?