マレーシア移住、2年で「やっぱりやめた」? 夢の海外生活を終えるリアルな理由


温かい気候、多文化な魅力、そして比較的リーズナブルな生活費…。「老後に住みたい国ランキング」でも常に上位にランクインするマレーシアは、海外移住の人気の選択肢ですよね。しかし、中には数年でマレーシア生活を終え、日本へUターンしたり、別の国へ移住したりする人もいます。

一体、何が理由で「夢のマレーシア生活」を手放すことになるのでしょうか? 今回は、マレーシア移住を2年ほどでやめることになった背景にある、よくあるリアルな理由について、さまざまな視点から探っていきます。


1. 気候や環境への「慣れ」と「変化」

マレーシアは一年中常夏の国。温暖な気候は魅力的ですが、この気候が生活の大きな変化点となることがあります。

  • 「暑さ・湿度」への順応: 常に高温多湿の環境は、日本人にとって慣れるまでに時間がかかります。人によっては、この気候が体調に合わず、疲労感や皮膚トラブル、または精神的なストレスにつながることも。特に雨季のじめじめとした湿気は、日本の梅雨とはまた違った不快感をもたらします。
  • 「大気汚染(ヘイズ)」の影響: 季節によっては、近隣国からの煙害(ヘイズ)で大気汚染が深刻になることがあります。空気がかすみ、呼吸器系に影響が出たり、外出を控える必要が生じたりすることも、生活の質に影響を与える要因となり得ます。
  • 自然環境との付き合い方: 豊かな自然はマレーシアの魅力ですが、同時に虫が多い、スコールが頻繁に降るなど、日本とは異なる自然環境への適応も必要です。

2. コミュニケーションと人間関係の壁

多民族国家マレーシアは、さまざまな文化が混ざり合う魅力がありますが、それが時にコミュニケーションの難しさにつながることも。

  • 英語力と「なまり」の問題: マレーシアでは英語が広く通じますが、独特の「マングリッシュ(マレーシア英語)」になかなか慣れないと感じる人もいます。また、公用語のマレー語や中国語、タミル語などが飛び交う環境で、スムーズな意思疎通に苦労することもあるでしょう。
  • 文化や習慣の違い: 日本とは異なる文化や習慣(例えば、時間感覚、ビジネス習慣、宗教観など)への理解や適応が求められます。表面的な付き合いはできても、深い人間関係を築く上でギャップを感じ、孤独感を抱くケースも少なくありません。
  • 日本人コミュニティとの距離感: 日本人同士のコミュニティはありますが、そこでの人間関係に疲れてしまったり、逆にコミュニティに馴染めなかったりすることも、移住生活を続ける上で障壁となることがあります。

3. 生活インフラとサービスの「日本との違い」

日本に比べて物価が安い、とよく言われますが、生活の質やサービス面で期待と現実のギャップを感じることもあります。

  • 医療サービスの質とアクセス: 医療費は比較的安いものの、日本のきめ細やかなサービスや待ち時間の短さに慣れていると、マレーシアの医療機関のシステムに戸惑うかもしれません。また、言語の壁や、信頼できる病院・医師を見つけるまでに苦労することもあります。
  • 公共交通機関の利便性: 都市部では鉄道やバスも整備されていますが、日本のような時間通りの正確さや、きめ細やかな路線網を期待すると、不便さを感じるかもしれません。結局、車の運転や配車アプリに頼ることになり、交通費がかさむケースもあります。
  • インフラの安定性: 停電や断水が起こったり、インターネット環境が不安定になったりすることも、日本ではあまり経験しないことです。こうした予期せぬトラブルにストレスを感じる人もいるでしょう。
  • 食生活の変化: 多彩な食文化はマレーシアの魅力ですが、日本食に恋しくなったり、日本の食材の入手に苦労したりすることもあります。外食中心の生活が続くと、食費が予想以上にかかることも。

4. 家族の状況やライフステージの変化

移住当初は良くても、時間の経過とともに家族の状況やライフステージが変化し、それが移住生活の継続を難しくする要因となることもあります。

  • 子どもの教育: お子さんがいる家庭では、インターナショナルスクールの学費負担増や、教育方針、将来の進路などを考えた際に、日本への帰国や他の国への移住を検討するケースがあります。
  • 高齢になった親の介護: 日本に残る親が高齢になり、介護が必要になった際に、海外からでは十分にサポートできないという理由で帰国を選ぶ人もいます。
  • 自身の健康状態の変化: 移住後に自身の健康状態が悪化し、より充実した医療体制を求めて日本に戻る、という選択をすることもあります。

5. 仕事や収入に関する課題

仕事のためにマレーシアに移住した人も、計画通りにいかないことがあります。

  • 就労ビザの更新や取得の難しさ: MM2Hビザ(マレーシア・マイ・セカンドホーム)以外の就労ビザは取得が難しく、更新ができないなどの理由で、滞在を続けられなくなるケースがあります。
  • キャリアパスの変更: 現地での仕事が想像と違ったり、スキルアップやキャリアチェンジを考えた際に、日本や他の国の方が選択肢が広いと感じたりすることもあります。
  • 収入と支出のバランス: 想定以上に生活費がかかったり、収入が不安定になったりして、経済的な理由から移住を断念することもあります。

まとめ:マレーシア移住は「試す」価値あり!

マレーシアでの生活を2年ほどで終える理由は、人それぞれ。気候や文化への適応、人間関係、生活インフラ、そして家族の状況など、多岐にわたります。

しかし、これらの理由があるからといって、マレーシア移住が「失敗」というわけではありません。むしろ、実際に生活してみなければわからない「リアル」を体験できたことは、その後の人生にとって大きな財産となるはずです。

もしマレーシア移住を検討しているなら、まずは短期滞在で現地の雰囲気を肌で感じてみたり、情報収集を徹底したりすることが大切です。そして、完璧を求めすぎず、変化や違いを受け入れる柔軟な姿勢を持つことで、より充実した海外生活を送れるのではないでしょうか。


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