医療費控除を受けるならワンストップは無効!確定申告でふるさと納税を二重計上しないための注意点


「今年は歯科矯正をしたから医療費控除を受けよう」「出産費用が高かったから還付申告をしよう」と考えている方、ちょっと待ってください。ふるさと納税の「ワンストップ特例」の申請をすでに済ませていても、医療費控除のために確定申告をした瞬間、そのワンストップ申請はすべて無効になります。

「ワンストップで出したから、確定申告では医療費のことだけ書けばいいよね」と思い込むのは、ふるさと納税で最も多い失敗パターンの一つです。

今回は、医療費控除とふるさと納税を賢く併用し、確実に税金を取り戻すための必須知識と注意点を分かりやすく解説します。


1. 確定申告をするとワンストップ特例が「リセット」される理由

ワンストップ特例制度は、あくまで「確定申告をしないこと」を条件に、自治体間の連携で住民税を調整する仕組みです。

一方で、税法のルールでは**「確定申告書の内容が、すべての申請に優先する」**と決まっています。そのため、医療費控除などのために確定申告書を提出すると、それまでに出していたワンストップ特例のデータは、国税庁や市区町村のシステム上で「なかったこと(上書き)」にされてしまいます。

「二重計上」の心配は無用、でも「申告漏れ」は致命的

「ワンストップも出して、確定申告もしたら、二重に控除されてお得になるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、そうはなりません。前述の通り、確定申告が優先されるため、確定申告書にふるさと納税の記載がないと、ふるさと納税の控除はゼロになってしまいます。


2. 医療費控除と併用する際の「3つの鉄則」

失敗を防ぐために、以下のステップを必ず守りましょう。

① 確定申告書には「医療費」と「ふるさと納税」の両方を書く

医療費控除を受けるために確定申告書を作成する際は、必ず「寄附金控除」の欄にふるさと納税の金額を記載してください。

  • 医療費控除: 「所得から差し引かれる金額」の医療費控除欄に記入

  • ふるさと納税: 「所得から差し引かれる金額」の寄附金控除欄に記入

この2セットを同時に申告することで、はじめて両方のメリットを享受できます。

② 寄付金受領証明書(または証明書データ)を準備する

ワンストップ申請時に書類を送ってしまった後でも、手元に「寄付金受領証明書」の控えがあればそれを使います。もし紛失した場合は、各ポータルサイト(さとふる、ふるなび、楽天ふるさと納税など)からダウンロードできる「寄附金控除に関する証明書(XMLデータ)」を利用すると、e-Taxでの入力が劇的に楽になります。

③ 控除限度額(上限)の低下に注意

医療費控除を受けると、あなたの「課税所得」が減ります。ふるさと納税の限度額は所得に応じて決まるため、医療費控除を適用することで、ふるさと納税の限度額が数千円〜数万円程度下がることがあります。

ギリギリまで寄付をしている方は、医療費控除を考慮したシミュレーションを事前に行っておくのが安全です。


3. もし「医療費控除だけ」で申告してしまったら?

「もう確定申告を出しちゃった!ふるさと納税のことを書くのを忘れた!」という場合でも、リカバリーは可能です。

  • 更正の請求(こうせいのせいきゅう)を行う

    「税金を多く払いすぎたので返してください」という手続きです。確定申告の期限内であれば「訂正申告」が可能ですが、期限を過ぎている場合は「更正の請求」を行うことで、後からふるさと納税分を反映させることができます。

    ただし、手続きには手間がかかるため、最初の申告時にセットで忘れないことが一番です。


4. 併用したほうが「お得」なのはどんな人?

手間はかかりますが、医療費控除とふるさと納税を併用するメリットは絶大です。

  • 還付金が「現金」で戻ってくる

    ワンストップ特例は「翌年の住民税が安くなる」だけですが、確定申告をすれば所得税分が指定口座に現金で振り込まれます。少しでも早くメリットを実感したい方には確定申告が向いています。

  • 10万円以上の医療費を支払った世帯

    自分だけでなく、生計を一にする家族(配偶者や子供、離れて暮らす両親など)の医療費を合算できます。通院の交通費なども含めると、意外と大きな控除額になり、ふるさと納税と合わせることで節税効果が最大化します。


まとめ:確定申告は「全部のせ」が基本!

医療費控除を受ける年は、ワンストップ特例のことは一度忘れましょう。

  1. 「確定申告をする=ワンストップは無効になる」と心に刻む。

  2. 申告書には「医療費」と「寄付金(ふるさと納税)」を必ずセットで書く。

  3. ポータルサイトの「控除証明書データ」を活用して、スマホでパパッと済ませる。

このルールさえ守れば、せっかくの寄付を無駄にすることなく、医療費の負担も賢く軽減できます。


ふるさと納税の「ワンストップ特例」と「確定申告」はどっちが得?