「泣きの一回」って何?意味や語源から類語・英語まで徹底解説!
「お願い!これで、泣きの一回!」
ゲームや交渉事の場面で、一度は口にしたり、耳にしたりしたことがあるかもしれませんね。この「泣きの一回」という言葉、なんとなく意味は通じるけれど、そもそもどんな由来があるの?似たような言葉や英語ではどう表現するの?と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、そんな日本人特有のニュアンスが詰まった言葉「泣きの一回」について、その意味や語源、そして類語や英語表現まで、とことん深掘りして解説していきます!これであなたも「泣きの一回」マスターです!
「泣きの一回」ってどんな意味?最終懇願の表現
「泣きの一回」とは、文字通り**「泣いてでもお願いしたい、これが最後のチャンスだ」という切羽詰まった状況で、相手に特別に許しや機会を懇願する際に使う言葉**です。
具体的には、以下のようなニュアンスを含みます。
- 最後のチャンス: これが本当に最後で、後はないという切実さ。
- 懇願・哀願: 相手に同情や温情を求める気持ち。
- 土壇場の逆転: もうダメだと思われた状況で、諦めきれずに再度チャンスを求める心理。
- 特別性: 本来は許されない、あるいは一度決着がついたことに対して、例外的にチャンスを求める。
例えば、
- ゲームで負けそうになった時、もう一局だけと頼む。
- 何かを諦めかけた時、もう一度だけチャンスをくださいと願う。
- 交渉が難航している際、粘り強く最後の提案をする。
といった場面でよく使われますね。「これがダメなら、もう本当に諦めます…」という、どこか悲壮感や切なさを帯びた響きがあるのが特徴です。
どこから来たの?「泣きの一回」の語源・由来
「泣きの一回」という言葉の語源や由来には、いくつかの説がありますが、どれも日本の遊びや勝負事の文化に根ざしていると考えられています。
有力な説とされるもの
- 賭博(とばく)やゲームでの「最後のお願い」説 昔の賭博やゲーム(サイコロ賭博など)において、負けが込んでしまっても、どうしても諦めきれない場合に、泣きながら、あるいは泣きそうな顔をして「もう一度だけチャンスをください」と懇願したことに由来するという説です。相手の情けに訴えかける、まさに「泣き」の要素が強調されています。
- 子供の遊びでの「もう一回!」説 子供たちが遊んでいる際、負けそうになったり、終わりを告げられたりした時に、「もう一回だけ!お願い!」と泣きじゃくりながらせがむ姿から来ているという説。こちらも、相手に受け入れてほしいという強い願いと、泣くという行動が結びついています。
どちらの説も、追い詰められた状況で、最後の希望を託すような感情が込められている点で共通しています。具体的な文献に登場する時期は明確ではありませんが、古くから日本の庶民の言葉として使われてきた表現と言えるでしょう。
似たような表現は?「泣きの一回」の類語
「泣きの一回」に近いニュアンスを持つ言葉はたくさんあります。それぞれの言葉が持つ微妙な違いを感じ取ってみましょう。
- 土壇場(どたんば)のチャンス/一発: もう後がない、絶体絶命の状況での最後の機会を指します。「泣きの一回」よりも客観的な状況を表すことが多いです。
- 背水の陣(はいすいのじん): 退路を断ち、決死の覚悟で物事に臨むこと。精神的な覚悟の強さを表し、「泣きの一回」のような懇願のニュアンスは薄いです。
- 最後の切り札: ここぞという時に出す、とっておきの手段。戦略的な意味合いが強いです。
- 一か八か(いちかばちか): うまくいくか失敗するかわからないが、運を天に任せて思い切ってやってみること。結果は運任せというニュアンスが強いです。
- ダメ元(だめもと): 「ダメで元々」の略。うまくいかなくても損はない、という軽い気持ちで試すこと。「泣きの一回」のような切実さはありません。
- 最終手段: 他に方法がない場合に行う、最後の方法。
- ラストチャンス: 最も一般的な類語。文字通り「最後の機会」。
- 懇願(こんがん): 心から切にお願いすること。「泣きの一回」の「泣き」の部分の感情を表す言葉です。
英語ではどう言う?「泣きの一回」に相当する英語表現
「泣きの一回」のように、特定の文化背景を持つ日本語の慣用句をぴったりと英語に訳すのは難しいですが、状況やニュアンスに応じていくつかの表現が考えられます。
- "One last chance"
最もシンプルで直接的な表現です。「もう一度だけチャンスをください」という意味で、様々な場面で使えます。
- 例: "Please, just one last chance!" (お願い、これだけ最後のチャンスを!)
- "A last ditch effort"
「土壇場での努力」「最後の抵抗」という意味で、もう後がない状況での必死な試みを指します。諦めきれない気持ちが強く表れます。
- 例: "It was a last ditch effort to win the game." (それは試合に勝つための土壇場での最後の努力だった。)
- "Beg for one more go" / "Beg for one more try"
「もう一度だけやらせてほしいと懇願する」というニュアンス。「beg」は「懇願する」「請う」という意味で、「泣き」の感情に近い切実さを表現できます。
- 例: "He begged for one more go at the arcade game." (彼はアーケードゲームでもう一度だけやらせてほしいと懇願した。)
- "Plead for a final opportunity"
よりフォーマルな場面や、真剣な交渉の際に使われる「最終的な機会を請い願う」という表現です。「plead」も「懇願する」という意味です。
- 例: "She pleaded for a final opportunity to present her case." (彼女は自分の主張を述べる最後の機会を請い願った。)
- "A last appeal" 「最後の訴え」「最後の嘆願」という意味で、特に相手の情に訴えかけるような場面で使われます。
これらの英語表現は、それぞれ微妙にニュアンスが異なるため、伝えたい状況や感情に合わせて使い分けることが大切です。
まとめ:「泣きの一回」は日本人の心理が詰まった言葉
今回は、「泣きの一回」という言葉の奥深さに迫ってみました。
- 意味: これが最後のチャンスだと懇願し、相手に温情を求める切羽詰まった状況で使う言葉。
- 語源: 賭博や子供の遊びにおける「もう一度だけ」という切実な願いから来ているという説が有力。
- 類語: 土壇場のチャンス、背水の陣、ラストチャンスなど、状況や感情に応じて使い分けられる様々な言葉がある。
- 英語: "One last chance" や "A last ditch effort" など、状況に合わせた表現がある。
「泣きの一回」は、単なる言葉以上の、諦めきれない気持ちや、相手に許しを請う日本人の繊細な心理が詰まった表現と言えるでしょう。この言葉の背景を知ることで、日本語の面白さや奥深さを再発見できたのではないでしょうか。