でんさいを受け取る側の手続きは?知っておきたい流れとメリット・デメリット
最近、「でんさい」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。
「取引先から、手形ではなく『でんさい』で支払うと言われたけど、どうすればいいの?」
「でんさいを受け取る側って、何か手続きが必要なの?」
このような疑問をお持ちの方のために、この記事では「でんさい」を受け取る側の手続きについて、分かりやすく解説していきます。
1. でんさいとは?なぜ利用が広まっているの?
「でんさい」とは、手形や振込に代わる、新しい電子決済サービスのことです。正式名称を「電子記録債権(でんさい)」と言います。
これまでの紙の手形は、紛失や盗難のリスク、印紙代などのコスト、そして手形交換所への持ち込みといった手間がありました。しかし、でんさいはすべてを電子化することで、これらの問題を解決できるため、中小企業を中心に利用が広がっています。
2. でんさいを受け取る側の手続きの流れ
でんさいを受け取る側の手続きは、紙の手形よりもずっとシンプルです。主な流れは以下の通りです。
ステップ①:金融機関での利用契約
でんさいを受け取るためには、まずメインバンクなどで「でんさいネット」の利用契約を結ぶ必要があります。この際、利用者番号やパスワードが発行されます。
ステップ②:発生記録通知を受け取る
取引先(支払側)が、でんさいネットに「発生記録」の請求を行います。
すると、あなたの利用している金融機関を通じて、「でんさいを受け取りますよ」という内容の通知が届きます。これが「発生記録通知」です。
この通知は、メールやウェブサービスの画面で確認することができます。
ステップ③:期日に自動で入金
でんさいの期日になると、登録しておいた銀行口座に自動で入金されます。
紙の手形のように、銀行に持っていく必要はありません。
【ポイント】
でんさいの受け取り手続きは、利用契約さえ済ませていれば、基本的に取引先が手続きをしてくれるので、あなたは通知を確認するだけでOKです。
3. でんさいを受け取る側のメリット・デメリット
でんさいを受け取る側には、多くのメリットがあります。
メリット
手間やコストが削減できる
紙の手形のように、手形を保管したり、銀行に持ち込んだりする手間がなくなります。
印紙代も不要です。
資金繰りがスムーズになる
期日になると自動で入金されるため、入金忘れを防ぐことができます。
手形を割引に出す場合よりも、早く、そして安く資金化できることが多いです。
紛失・盗難のリスクがない
電子データなので、紙の手形のような物理的な紛失・盗難の心配がありません。
デメリット
初期費用や月額手数料がかかる場合がある
金融機関によっては、でんさいネットの利用契約に初期費用や月額手数料がかかることがあります。
ただし、多くは月額数百円から数千円程度です。
取引先も利用する必要がある
支払側もでんさいネットを利用している必要があります。
まとめ:でんさいは受け取る側にもメリットが多い
「でんさいを受け取る側」の手続きは、一度利用契約を済ませてしまえば、後はとても簡単です。
紙の手形に比べて、業務効率化やコスト削減など、多くのメリットがあります。もし取引先から「でんさい」での支払いを提案されたら、これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか。