【放置厳禁】確定拠出年金の「自動移管」で資産が減る?手数料の仕組みとデメリットを解説
「退職してから半年以上経つけれど、前の会社の確定拠出年金(企業型DC)ってどうなったんだろう?」と、ふと不安になったことはありませんか。もし、新しい年金制度への移し替え手続きを忘れてしまっているなら、あなたの資産は現在「自動移管」という非常に危険な状態にあるかもしれません。
確定拠出年金は、自分年金を作るための優れた制度ですが、退職後の手続きを怠ると、せっかく積み立てた老後資金が「ただ減っていくだけの資産」に変わってしまいます。
この記事では、自動移管によって発生する目に見えないコストや、放置することで被る深刻なデメリット、そして資産を守るために今すぐすべき対策について、優しく詳しく解説します。
そもそも「自動移管」とは?なぜ資産が減るのか
企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入していた会社を辞めた後、6ヶ月以内に「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「転職先の企業型DC」へ資産を移す手続きを行わないと、その資産は強制的に「国民年金基金連合会」へ移されます。これが自動移管です。
自動移管されると、投資信託などで運用されていた資産はすべて売却され、**「現金(キャッシュ)」**の状態で管理されます。つまり、株価が上がっても資産が増えることは一切なく、それどころか後述する「手数料」によって元本が削られ続けることになるのです。
恐ろしい「自動移管」の手数料シミュレーション
自動移管の最大の罠は、手続きを「しない」ことに対して多額のコストがかかる点です。
1. 移管時の一時金(約4,000円〜5,000円)
自動移管されるその瞬間に、手数料として数千円が資産から差し引かれます。これだけで、数ヶ月分の運用益が吹き飛んでしまうような金額です。
2. 毎月の管理手数料(月額数百円)
自動移管中も「管理費用」という名目で、毎月一定額の資産が引き落とされます。
仮に月額400円の手数料がかかる場合、1年で4,800円、10年放置すれば48,000円もの大金が、運用の機会もないまま消えていく計算です。
銀行の普通預金に預けていてもこれほどの手数料は取られません。自動移管は、まさに「穴の空いたバケツ」に大切なお金を入れているような状態なのです。
手数料だけじゃない!放置による3つの大きなデメリット
金銭的なマイナス以外にも、将来の自分を困らせるリスクが潜んでいます。
デメリット①:老齢給付金の受取時期が遅れる
確定拠出年金は、加入期間(資産を運用・拠出していた期間)に応じて、60歳から受け取れるかどうかが決まります。しかし、自動移管されている期間は「加入期間」にカウントされません。
放置した期間が長いと、60歳になってもお金を受け取れず、受取開始時期が61歳、62歳……と先延ばしになってしまう可能性があります。
デメリット②:運用の複利効果を逃す(機会損失)
資産形成において「時間」は最大の味方です。自動移管で現金化されている間は、複利の恩恵を全く受けられません。世界経済が成長している中で、自分のお金だけが「冬眠」しているのは、将来の大きな取りこぼしに繋がります。
デメリット③:税制優遇の枠を活用できない
iDeCoや企業型DCであれば、運用益は非課税になります。しかし自動移管状態では、そもそも運用益が発生しないため、この強力な税制メリットを完全に捨てていることになります。
自動移管を解消し、資産を「救出」する具体的な手順
もしすでに自動移管の通知ハガキが届いていても、今から手続きをすれば資産を正常な状態に戻せます。
「加入者番号」を確認する
連合会から届いたハガキに記載されている10桁の番号を探しましょう。
移換先を決める
転職先に企業型DCがある場合:会社の担当部署に相談
転職先に制度がない、またはフリーランスの場合:iDeCo口座を新規開設
移換の手続きを依頼する
選んだ金融機関(ネット証券などがおすすめ)に、「自動移管された資産を移したい」と申し出れば、必要な書類を送付してくれます。
まとめ:あなたの大切なお金を「迷子」にさせないで
自動移管は、多くの人が陥りやすい落とし穴です。しかし、仕組みを正しく理解し、早めに行動することで、無駄な手数料を止めて再び資産を成長させることができます。
「あとでやろう」という先延ばしが、将来のあなたの老後資金を数万、数十万円単位で減らしてしまうかもしれません。まずは手元にある書類を確認し、iDeCoの口座開設や会社への相談といった、最初の一歩を踏み出してみましょう。
自分のお金を守れるのは、自分だけです。今日という日が、あなたの資産運用を再始動させる最良のタイミングになるはずです。
確定拠出年金が自動移管された!放置のデメリットと資産を取り戻す手順を解説