慰謝料を請求されたらどうする?パニックを防ぎ冷静に対処するための完全ガイド
不倫や浮気、婚約破棄、あるいは交通事故やトラブルなど、人生である日突然「慰謝料を請求します」という通知が届くことは、誰にとっても大きな衝撃です。頭が真っ白になり、「これからどうなってしまうのか」「いくら払えばいいのか」と不安で夜も眠れなくなるかもしれません。
しかし、まずは落ち着いてください。慰謝料を請求されたからといって、相手の言い値をそのまま支払わなければならないわけではありません。法的な根拠があるのか、金額は適正なのかを冷静に見極めることで、自分自身の生活を守ることができます。
この記事では、慰謝料を請求された際の正しい初動対応から、相場、減額交渉のポイントまで、あなたの不安を解消するために詳しく解説します。
1. 慰謝料請求の通知が届いた時に「絶対にやってはいけないこと」
まずは、パニックになって状況を悪化させないことが大切です。以下の3点は、後の交渉で不利になる可能性が高いため、厳禁です。
無視・放置する
「放っておけば諦めてくれるだろう」というのは大きな間違いです。無視を続けると、相手は「誠意がない」と判断し、裁判所を通じた手続き(訴訟)に踏み切る可能性が高まります。裁判を放置すれば、相手の主張が全面的に認められ、最悪の場合は給与や預貯金が差し押さえられるリスクがあります。
感情的に反論・謝罪する
相手に電話をして怒鳴り散らしたり、逆に恐怖から「何でも払います」と即答してしまったりするのは危険です。電話の内容を録音されていた場合、不用意な発言が「非を認めた証拠」として扱われることがあります。
勝手に証拠を破棄する
身の潔白を証明したい、あるいは事実を隠したいという思いから、スマホの履歴や書類を消去・破棄したくなるかもしれません。しかし、これが発覚すると「証拠隠滅」とみなされ、裁判官の心証が極めて悪くなります。
2. 請求内容を冷静に分析するステップ
通知書(内容証明郵便など)が届いたら、まずは以下の項目をチェックしましょう。
請求の根拠はあるか?
相手が主張している事実は本当でしょうか。例えば不倫(不貞行為)の場合、「肉体関係があったこと」が法的な慰謝料発生の条件となります。単に食事をしただけ、手をつないだだけといったケースでは、必ずしも支払い義務が生じるとは限りません。
相手は誰か、窓口はどこか?
相手本人が直接送ってきたのか、弁護士が代理人となっているのかを確認します。弁護士名義で届いた場合は、法的な手続きが着々と進んでいるサインですので、より慎重な対応が求められます。
請求金額は相場と比べてどうか?
請求書に書かれている金額は、あくまで「相手の希望」です。多くの場合、交渉を前提として高めに設定されています。
3. 知っておきたい慰謝料の「相場」と決定要素
慰謝料の金額には、ある程度の「裁判上の目安」が存在します。ケースによって異なりますが、代表的な例を挙げます。
不倫・不貞行為の場合
離婚しない場合: 50万円 ~ 100万円程度
別居に至った場合: 100万円 ~ 200万円程度
離婚に至った場合: 200万円 ~ 300万円程度
これらはあくまで目安であり、婚姻期間の長さ、子供の有無、不倫の期間や回数、主導権をどちらが握っていたかなどによって増減します。
婚約破棄の場合
相場: 50万円 ~ 200万円程度
結納を済ませていた、結婚式場を予約していた、仕事を辞めていたなどの事情があると高くなる傾向があります。
4. 慰謝料を減額・拒絶できる可能性があるケース
「請求された=全額支払い」ではありません。以下のような事情がある場合、減額や支払いの拒絶を主張できる可能性があります。
既婚者であることを知らなかった(過失がない)
不倫相手から「独身だ」と強く騙されており、それを信じるに足りる正当な理由があった場合、支払い義務が生じないことがあります。
夫婦関係が既に破綻していた
不倫が始まる前から、相手の夫婦関係が冷え切り、別居しているなど実質的に破綻していた場合は、守るべき「平穏な婚姻生活」が存在しないとみなされ、慰謝料が認められないケースがあります。
既に相手の配偶者から十分な支払いを受けている
不倫の慰謝料は、不倫をした二人(共同不法行為者)が連帯して負うものです。既に一方が十分な金額を支払っている場合、もう一方への請求が制限されることがあります。
時効が成立している
慰謝料請求には時効があります。不倫の事実と相手を知った時から3年、あるいは不倫行為から20年が経過している場合、時効を援用することで支払いを免れることができます。
5. 解決に向けた具体的な解決手順
トラブルを最小限に抑えるためのフローを紹介します。
① 回答期限を確認し、受領連絡を入れる
内容証明には「○日以内に回答を」と期限が書かれていることが多いです。間に合わない場合は、まずは「届きました。内容を確認し、後日改めて回答します」と、検討中であることだけを伝えましょう。
② 証拠を集める
自分の言い分を裏付ける証拠を探します。「相手から独身だと言われたLINE」「既に夫婦仲が悪かったことがわかるやり取り」などは、減額交渉の強力な武器になります。
③ 条件交渉を行う(示談交渉)
いきなり裁判になることは少なく、まずは話し合い(示談)が行われます。一括払いが難しい場合は分割払いの相談や、金額そのものの減額を求めて交渉します。
④ 示談書(合意書)を作成する
合意に至ったら、必ず書面を残します。特に重要なのが**「清算条項」**です。「本件に関し、今後一切の請求を行わない」という文言を入れることで、後から追加で請求されるリスクを封じ込めます。
6. 専門家(弁護士)に相談するメリット
自分で交渉するのは精神的に大きな負担です。弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
相手との直接の接触を断てる
弁護士が窓口になるため、相手からの督促やプレッシャーを直接受けずに済みます。
適正な金額で決着できる
過去の判例に基づいた交渉を行うため、法外な金額を支払わされるリスクを回避できます。
法的リスクの回避
示談書の作成ミスによる将来のトラブルを防ぎます。
多くの法律事務所では初回無料相談を行っています。まずは現状を話し、見通しを確認するだけでも心が軽くなるはずです。
まとめ:一人で抱え込まず、適切な対応を
慰謝料を請求されるという事態は、人生のピンチに思えるかもしれません。しかし、正しく対処すれば、必要以上に恐れることはありません。
まずは**「放置しない」「感情的にならない」「相場を知る」**。この3つを徹底し、必要であれば専門家の助けを借りて、生活の再建を目指しましょう。一歩ずつ手続きを進めることで、必ず解決の出口は見えてきます。
今、あなたが抱えている不安が、適切な対応によって一日も早く解消されることを願っています。
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