医療費控除を出すとふるさと納税の上限額はいくら減る?確定申告で失敗しないための注意点
「今年は家族に大きなケガや病気があって医療費がかさんだ」「歯列矯正やインプラントで高額な支払いをした」という場合、医療費控除を申請することで税金の還付を受けることができます。
しかし、ここで気になるのが**「医療費控除をすると、ふるさと納税の限度額が減ってしまうのでは?」**という疑問です。
結論から言うと、医療費控除を受けるとふるさと納税の上限額(自己負担2,000円で済む枠)は若干下がります。 ただし、その減少幅は意外と小さく、多くのケースでは両方を併用したほうが家計全体ではお得になります。
この記事では、医療費控除がふるさと納税に与える具体的な影響額や、確定申告で「損」をしないための注意点を詳しく解説します。
なぜ医療費控除でふるさと納税の上限額が下がるのか?
ふるさと納税の上限額は、あなたの「課税所得(税金の対象となる所得)」に基づいて計算されます。
医療費控除は、支払った医療費の一部を所得から差し引く「所得控除」です。医療費控除を申請すると課税所得が少なくなるため、それと連動して算出されるふるさと納税の限度額も、わずかに押し下げられる仕組みになっています。
【目安】医療費控除で上限額は具体的にいくら減る?
医療費控除を申請した際、ふるさと納税の上限額がどれくらい減るのかは、以下の計算式でおおよその目安を出すことができます。
上限額の減少目安 = 医療費控除額 × 2% 〜 4.5% 程度
具体的な例で見てみましょう。
| 医療費控除の額 | ふるさと納税上限額の減少目安 |
| 10万円 | 約2,000円 〜 4,500円 減 |
| 20万円 | 約4,000円 〜 9,000円 減 |
| 50万円 | 約10,000円 〜 22,500円 減 |
※年収や家族構成、所得税率によって変動しますが、一般的には医療費控除額の数パーセント程度の影響に留まります。
このように、医療費控除で税金が数万円安くなるメリットに比べれば、ふるさと納税の上限額が下がる影響は決して大きくありません。「上限が減るから医療費控除をやめる」というのは、トータルで見ると損になることがほとんどです。
確定申告で絶対に気をつけるべき「3つの注意点」
医療費控除とふるさと納税を併用する場合、手続き上で見落としがちな落とし穴があります。
1. ワンストップ特例制度が「無効」になる
これが最も多い失敗です。ふるさと納税で「ワンストップ特例制度」の申請書を自治体に送っていても、医療費控除を受けるために確定申告を行うと、ワンストップの申請はすべて無効になります。
確定申告をする際は、医療費だけでなく、ふるさと納税(寄付金控除)の内容もすべて含めて申告し直す必要があります。これを忘れると、ふるさと納税の控除が一切受けられなくなってしまうため、必ずセットで申告しましょう。
2. セルフメディケーション税制との選択
医療費が10万円に満たない場合でも、対象の市販薬を年間1万2,000円超購入していれば「セルフメディケーション税制」が利用できます。ただし、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか一方しか選べません。
どちらを選んでもふるさと納税の上限額に微増減の影響を与えますが、まずは「どちらの制度がより減税効果(還付額)が大きいか」を優先して判断するのが鉄則です。
3. 住民税の通知書を必ずチェックする
確定申告をした後、5〜6月頃に届く「住民税決定通知書」を確認してください。適用された控除欄に、医療費控除と寄付金控除(ふるさと納税)の両方が正しく記載されているかを見ることで、申告漏れがないか最終確認ができます。
損をしないためのシミュレーション方法
「医療費控除を考慮した正確な上限額」を知りたい場合は、ふるさと納税サイトが提供している**「詳細シミュレーター」**を活用しましょう。
源泉徴収票を準備する。
「詳細版」または「住宅ローン・医療費控除併用版」のシミュレーターを選択する。
「医療費控除」の欄に、その年支払った医療費(合計額から10万円、または所得の5%を引いた額)を入力する。
これにより、医療費控除を考慮した後の「安全な寄付ライン」がわかります。
まとめ:併用は「攻め」の家計管理
医療費控除によってふるさと納税の上限が多少減るとしても、それは「支払うべき税金が正しく減った結果」にすぎません。
影響額は医療費控除額の2〜4.5%程度。
確定申告をするなら、ふるさと納税の分も忘れずに記載する。
家計全体では「併用」がもっともお得。
大きな医療費が発生した年こそ、制度をフル活用して賢く家計を守りましょう。もし今年の医療費が10万円を超えそうなら、まずは領収書やレシートを整理して、シミュレーターで「自分だけの最適枠」を再確認することをおすすめします。
次は、お手元の領収書を合算して、具体的な医療費控除額を算出してみることから始めてみませんか?
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