浄土真宗のお仏壇、どう飾る?宗派ごとの違いと正しい仏具の配置を徹底解説


「お仏壇を新しく迎えることになったけれど、飾り方がよくわからない…」

「宗派によって飾り方が違うって聞いたけど、浄土真宗の場合はどうすればいいの?」

お仏壇は、故人様やご先祖様を供養し、日々手を合わせる大切な場所です。しかし、宗派によってお仏壇の飾り方や使用する仏具には違いがあり、特に「浄土真宗」は、他の宗派とは異なる特徴がいくつかあります。

この記事では、浄土真宗のお仏壇の基本的な考え方から、必要な仏具の種類と正しい配置、そして飾り付けの際の注意点まで、わかりやすく丁寧に解説します。浄土真宗のご家庭で、心を込めてお仏壇を飾り、日々のお参りをより意義深いものにするための参考にしてください。

浄土真宗のお仏壇の基本的な考え方

浄土真宗は、「阿弥陀如来(あみだにょらい)」の他力本願(たりきほんがん)によって、誰もが等しく救われるという教えを説く宗派です。他の宗派とは異なり、「故人様を供養して冥福を祈る」というよりも、「故人様は阿弥陀如来の力によって浄土へ往生し、仏様になられた」という考え方をします。

そのため、お仏壇も「故人様の冥福を祈る場」というよりは、「阿弥陀如来を礼拝し、仏様の教えを聞く場」としての意味合いが強くなります。この考え方が、お仏壇の飾り方や仏具の種類に影響を与えています。

浄土真宗のお仏壇の大きな特徴

  • 位牌を置かない: 故人様は即座に仏様になると考えるため、位牌ではなく「法名軸(ほうみょうじく)」や「過去帳(かこちょう)」を用いるのが一般的です。

  • 本尊は阿弥陀如来: 必ず阿弥陀如来をご本尊とします。

  • 線香は寝かせて供える: 他の宗派のように立てて供えるのではなく、香炉に寝かせて供えます。

浄土真宗のお仏壇に必要な仏具と正しい配置

浄土真宗のお仏壇は、ご本尊である阿弥陀如来を中心に、いくつかの宗派特有の仏具を配置します。

1. ご本尊(阿弥陀如来)

  • 配置場所: お仏壇の最上段中央。

  • 種類:

    • 東本願寺(真宗大谷派): 光明を放つ阿弥陀如来の「六字名号(南無阿弥陀仏)」の掛け軸、または「阿弥陀如来立像(東立弥陀)」を飾ります。

    • 西本願寺(浄土真宗本願寺派): 「六字名号」の掛け軸、または「阿弥陀如来立像(西立弥陀)」を飾ります。

  • ポイント: 東本願寺と西本願寺では、掛け軸の文字の書体や、阿弥陀如来像の合掌の指の位置(印相)が異なりますので、必ずご自身の宗派に合ったものを選びましょう。

2. 脇侍(わきじ)

  • 配置場所: ご本尊の左右。

  • 種類:

    • 東本願寺: 向かって右に「九字名号(南無不可思議光如来)」、左に「十字名号(帰命尽十方無碍光如来)」の掛け軸を飾ります。

    • 西本願寺: 向かって右に「親鸞聖人(しんらんしょうにん)」、左に「蓮如上人(れんにょしょうにん)」の掛け軸を飾ります。

  • ポイント: 脇侍も宗派によって飾るものが異なるため、注意が必要です。

3. 法名軸(ほうみょうじく)または過去帳(かこちょう)

  • 配置場所: ご本尊のすぐ下の段や、見台(けんだい)に乗せて安置します。

  • 役割: 故人様の法名(戒名ではなく、浄土真宗では法名)を記したものです。位牌は置きません。

  • ポイント: 法名軸は仏壇の内側に掛け、過去帳は普段は閉じ、お参りの際に開くのが一般的です。

4. 仏飯器(ぶっぱんき)

  • 配置場所: 仏器膳(ぶっきぜん)の上、ご本尊の正面。

  • 役割: 炊き立てのご飯を盛ってお供えします。

  • ポイント: 他の宗派では「仏器膳」に複数の仏飯器を置くこともありますが、浄土真宗では一つで、基本的には毎日お供えします。

5. 茶湯器(ちゃとうき)

  • 配置場所: 仏器膳の上、仏飯器の横。

  • 役割: お水やお茶をお供えします。

  • ポイント: お茶は、宗派によっては「仏飯器の後ろ」に置く場合もあります。

6. 花立(はなたて)

  • 配置場所: 左右に一対。

  • 役割: 故人様へのお供えの花を飾ります。

  • ポイント: 生花が基本ですが、難しい場合は造花でも構いません。枯らさないように注意しましょう。

7. 火立(ひたて)/ローソク立て

  • 配置場所: 左右に一対。

  • 役割: ローソクを灯します。

  • ポイント: 火を灯すのは、ご本尊を照らし、お参りする人の心を明るくするためと考えられています。

8. 香炉(こうろ)

  • 配置場所: 仏壇の中央。

  • 役割: お線香を供えます。

  • ポイント: 浄土真宗では、お線香を短く折って横に寝かせて供えるのが特徴です。香炉は、線香を寝かせられるように、他の宗派より横に長いものが一般的です。

9. おりん

  • 配置場所: 仏壇の手前、向かって右側。

  • 役割: 読経の始まりや終わりに鳴らします。

  • ポイント: 浄土真宗では、読経の合図として使用し、故人への合図や邪気を払う意味合いは持ちません。

10. 高坏(たかつき)/供物台

  • 配置場所: 仏飯器などの手前、左右に一対。

  • 役割: 果物やお菓子などのお供え物を置きます。

浄土真宗のお仏壇飾り付けの注意点

  • 宗派の確認: 同じ浄土真宗でも「真宗大谷派(東本願寺)」と「浄土真宗本願寺派(西本願寺)」では、本尊や脇侍、仏具の配置に微妙な違いがあります。必ずご自身の宗派を確認し、正しい仏具を選びましょう。

  • 仏具の数: 基本的に左右対称に配置するものが多く、一対で用意します。

  • 清潔を保つ: お仏壇も仏具も常に清潔に保ち、埃を払うなど、日々のお手入れを怠らないようにしましょう。

  • 飾り過ぎない: 豪華に飾り立てるよりも、シンプルで清らかな状態を保つことが大切です。

  • 分からないことは専門家に相談: 仏壇店や菩提寺に相談するのが最も確実です。

まとめ:心を込めて、阿弥陀如来の教えに触れる場所を

浄土真宗のお仏壇は、故人様が仏様となられた証であり、阿弥陀如来の教えに日々触れるための大切な場所です。宗派特有の飾り方や仏具の意味を理解することで、より深く仏様の教えを感じ、故人様を偲ぶことができるでしょう。

この記事が、あなたの浄土真宗のお仏壇を正しく、そして心を込めて飾るための一助となれば幸いです。

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