神棚を置く方角に決まりはある?心を込めた設置場所と方法を徹底解説
新しい生活を始める時や、心機一転したい時、「家に神棚を祀りたいな」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。神棚は、私たちの日々の暮らしの中で神様をお祀りし、感謝や祈りを捧げる大切な場所です。
でも、「神棚って、どの方角に置けばいいの?」「設置場所に何かルールはあるのかな?」といった疑問をお持ちの方も多いはず。ご安心ください!今回は、神棚を置くのにふさわしい方角の考え方から、具体的な設置場所、そして設置方法まで、心を込めて神様をお迎えするためのポイントを詳しく解説します。
神棚を置く方角に「絶対的な決まり」はないけれど…
まずはじめに、神棚を置く方角に**「こうでなければならない」という絶対的な決まりはありません。** しかし、古くからの習わしや、神様を敬う気持ちから、より良いとされる方角や場所の考え方は存在します。
大切なのは、「神様を大切にする気持ち」と「毎日お参りしやすい場所」を選ぶことです。
基本的な考え方:明るく清浄な場所を意識する
神棚を設置する上で最も重要視されるのは、以下の点です。
明るく清浄な場所: 陽の光が差し込むような、明るく清らかな場所が好ましいとされます。
家族みんながお参りしやすい場所: 毎日手を合わせる場所なので、家族が自然と集まり、お参りしやすい場所に設けることが大切です。
目線よりも高い位置: 神様を見下ろすことのないよう、私たちの目線よりも高い位置に設置するのが一般的です。
これらの点を踏まえた上で、方角の考え方を参考にすると良いでしょう。
神棚を置くのに「より良い」とされる方角
昔からの慣習や考え方として、神棚を設置する際に良いとされる方角があります。
1. 南向きに設置する
神棚を「南向き」に設置すると良い、という考え方があります。これは、南が日差しが最も強く当たる方角であり、古来より**陽が当たる場所は「縁起が良い」「明るく清らかである」**と考えられてきたからです。また、南向きは「南面して座す(なんめんしてざす)」という言葉があるように、君主が臣下と向き合う方角とされ、位の高い方角として尊ばれてきました。
2. 東向きに設置する
南向きと同様に「東向き」も良いとされています。東は太陽が昇る方角であり、一日の始まりや新しいことの始まりを象徴します。生命の誕生や発展を意味することから、縁起が良いとされています。
3. 北向きや西向きは避けるべき?
では、北向きや西向きは避けるべきなのでしょうか?結論から言うと、絶対に避けるべきではありません。
「北向き」は太陽の光が当たりにくいため、一般的には避けられる傾向にありますが、間取りの関係で他に選択肢がない場合は問題ありません。
「西向き」は、太陽が沈む方角であることから「人気が衰える」と解釈されることもありますが、これもあくまで一説であり、特に気にする必要はありません。
大切なのは、方角よりも「明るく清浄で、神様を敬う気持ちでお祀りできる場所か」という点です。無理に方角にこだわるよりも、お部屋の間取りや生活動線を考慮して、一番ふさわしい場所を選びましょう。
神棚の具体的な設置場所のポイント
方角の考え方を踏まえた上で、より具体的に神棚を設置する際のポイントを見ていきましょう。
目線よりも高い位置に:
神棚は、人が立った時に見上げるくらいの、目線よりも高い位置に設置しましょう。鴨居(かもい)の上や、専用の棚などを利用するのが一般的です。
清浄な場所を選ぶ:
清潔を保ちやすい場所を選びましょう。頻繁に掃除ができる場所が理想です。
静かで落ち着ける場所:
家族が落ち着いてお参りできる、静かな場所が適しています。リビングの一角や、和室などが良いでしょう。
人の出入りが少ない場所:
扉の真上や、人の出入りが頻繁で落ち着かない場所は避けましょう。
不浄な場所の近くは避ける:
トイレや浴室、台所の近くなど、水回りや煙、匂いが発生する場所の近くは避けるのが望ましいとされます。また、玄関の真正面など、人の出入りが激しく落ち着かない場所も避けましょう。
仏壇と向かい合わせにしない:
神棚と仏壇を同じ部屋に置く場合は、向かい合わせにならないように配置しましょう。お互いに拝む際に、片方にお尻を向ける形になるのは失礼にあたると考えられているためです。
エアコンや換気扇の近くは避ける:
エアコンの風が直接当たる場所や、換気扇の近くは、神棚が汚れたり、乾燥したりする原因になるため避けましょう。
神棚の設置方法と日々の祀り方
神棚の設置場所が決まったら、実際に設置してみましょう。
1. 神棚板を取り付ける
壁に直接神棚を取り付ける場合は、しっかりと固定できる神棚板を使用しましょう。最近では、石膏ボードの壁にも取り付けられる簡易的な神棚や、置き型の神棚もあります。賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合は、家具の上に設置したり、突っ張り棒で棚を作ったりする工夫も可能です。
2. 神具を配置する
神棚には、お札(おふだ)を納める場所の他に、神様にお供えをするための様々な神具を配置します。
榊(さかき): 左右に榊立てを置き、神様への敬意を表す常緑樹の榊を供えます。
水: 中央に水玉を置き、毎日新しい水をお供えします。
米: 水玉の隣に、米をお供えする平皿を置きます。
塩: 米の隣に、塩をお供えする平皿を置きます。
酒: 左右に瓶子(へいし)を置き、お神酒(おみき)をお供えします。
灯明(とうみょう): ロウソク立てを置き、お参りの際に火を灯します。
玉串(たまぐし): お参りの際に玉串を捧げることがあります。
鏡: 神様の依り代(よりしろ)として、神棚の中央に置く場合もあります。
これら全てを揃える必要はありませんが、水・米・塩は毎日お供えするのが基本です。
3. お札を納める
神棚にお札を納める際は、最も手前(中央)に伊勢神宮の神宮大麻を、その右隣に氏神様のお札、左隣に崇敬神社のお札を納めるのが一般的です。一社造りの神棚の場合は、手前から重ねて納めます。
4. 日々のお祀り
毎日お供え物を替える: 水、米、塩は毎日新しいものに替えるのが理想です。榊は、枯れてきたら新しいものに替えましょう。
清潔に保つ: 神棚やその周りを常にきれいに保ち、ホコリを拭き取るなど、こまめに掃除をしましょう。
感謝の気持ちを込めてお参りする: 毎日手を合わせ、日々の感謝や家族の健康などを祈りましょう。
まとめ:大切なのは「敬う心」と「感謝の気持ち」
神棚を置く方角には「南向き」や「東向き」が良いとされますが、それよりも大切なのは、明るく清浄で、家族みんなが毎日気持ちよくお参りできる場所を選ぶことです。
無理に方角にこだわるよりも、生活動線を考慮し、神様を敬う気持ちと感謝の気持ちを込めてお祀りすることが、何よりも重要です。
神棚は、私たちと神様をつなぐ大切な場所。心を込めてお迎えし、日々の暮らしの中に神様を感じる時間を取り入れてみませんか?きっと、あなたの生活がより豊かで、穏やかなものになるはずです。