「新盆(初盆)」のお返し、どうすればいい?押さえておきたいマナーと喜ばれる品物選び


初めて故人を迎えるお盆、通称「新盆(にいぼん/しんぼん)」や「初盆(はつぼん)」。この時期には、故人への供養のためにご親族やご友人から、提灯やお線香、供物など様々な「お供え」をいただく機会が増えます。

「お供えをいただいたら、お返しは必要?」「どんなものを選べばいいの?」「タブーってあるの?」など、慣れないことばかりで、どうすれば良いか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、新盆のお返しに関する疑問をすべて解消します。お返しの要不要、基本的なマナー、喜ばれる品物の選び方、避けるべきタブー、そしてお礼の挨拶文まで、詳しく解説します。大切な故人を偲ぶ気持ちをきちんと伝え、失礼のないよう準備を進めましょう。

新盆のお返しは「基本的には必要」!

新盆では、故人の供養のためにお供え物をいただくことが多くあります。そのお返しとして「お盆の引き物」や「盆礼(ぼんれい)」として品物をお渡しするのが一般的です。これは、お供えに対する感謝の気持ちと、無事に新盆を終えられたというご報告の意味が込められています。

お返しを渡すタイミング

お返しは、お盆の法要当日に、お供えをいただいた方へ直接お渡しするのが基本です。法要に来られない方や、後日郵送でお供えをいただいた場合は、**お盆明け(8月末頃まで)**を目安に送るようにしましょう。

お返しの相場

いただいたお供えの金額の、**3分の1から半分程度(半返し)**が目安とされています。例えば、5,000円のお供えをいただいたら、1,500円~2,500円程度のお返しを検討しましょう。

失敗しない!お返しの「のし紙」マナー

お返しには、必ず「のし紙」をつけます。

  • 表書き

    • 「志(こころざし)」:宗教を問わず使える、最も一般的な表書きです。

    • 「新盆志」「初盆志」:新盆に限定した表書きです。

    • 「御供」「御仏前」:いただいたお供え物につける表書きですが、お返しには通常使いません。

  • 水引黒白の結び切りを選びます。不幸が一度きりであることを願う意味が込められています。

  • 名入れ:水引の下には、施主の姓、または**「〇〇家」**と記入します。

喜ばれるお返しの品物選び:人気の定番と選び方のコツ

お返しは、相手の負担にならず、かつ感謝の気持ちが伝わる品物を選ぶことが大切です。

1. 「消え物」が基本!

食べたり使ったりしたらなくなる「消え物」が、相手に気を遣わせず、最も喜ばれます。

  • お菓子:個包装で日持ちのする焼き菓子や、ゼリーなどが定番です。老舗の銘菓や、少し高級感のあるものを選ぶと良いでしょう。

  • お茶・コーヒー・紅茶:日常的に消費するもので、好みが分かれにくいので安心です。詰め合わせや、少し品質の良いものを選ぶと喜ばれます。

  • 調味料・油:醤油や食用油、だしパックなど、毎日使う消耗品は実用性が高く、重宝されます。

  • そうめん:夏のお返しとして、涼やかに楽しめる素麺は特に人気があります。

  • 洗剤・石鹸:洗濯用洗剤や食器用洗剤、石鹸、ハンドソープなど、日用品はいくつあっても困らないため、非常に実用的です。

  • タオル:品質の良いタオルは、実用性があり、かさばらないため人気です。

2. 選ぶ際の「ここがポイント!」

  • 個包装になっているか:職場の方や複数人で分け合えるように、個包装になっているものが便利です。

  • 日持ちするか:賞味期限が長いものを選び、相手が焦って消費しなくて済むように配慮しましょう。

  • 持ち運びやすい重さ・サイズか:法要当日に手渡しする場合、相手が持ち帰りやすい重さやサイズであることも重要です。

新盆のお返しで「避けるべきタブー」

お返しには、避けるべき品物やマナーがあります。

  • 生もの(肉・魚介類):傷みやすく、生臭さが仏事にはふさわしくないとされるため避けるのが一般的です。

  • 酒類:お祝い事に用いられることが多いため、仏事のお返しとしては不適切とされています。

  • 昆布・鰹節:「よろこぶ」「勝つお」など、お祝い事を連想させるため、避けるべきとされています。

  • 金券や商品券:金額がはっきりと分かってしまうため、お返しとしては失礼にあたる場合があります。相手の好みが分からずどうしてもという場合は、少額にとどめるか、カタログギフトを検討しましょう。

  • 慶事に使う「紅白の水引」:お祝い事に使うものなので、絶対に避けましょう。

お礼の挨拶:メッセージカードや手紙の例文

直接手渡しできない場合や、より丁寧に感謝を伝えたい場合は、メッセージカードや手紙を添えましょう。

例文

拝啓

この度は、亡き〇〇(故人の名前)の新盆にあたり、ご多忙の中、ご丁寧なお供え物を賜りまして、誠にありがとうございました。

お陰様で、滞りなく法要を執り行うことができました。

ささやかではございますが、感謝の気持ちを表しまして、心ばかりの品をお贈りいたしました。

暑さ厳しき折、皆様くれぐれもご自愛くださいませ。

まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。

敬具

令和〇年〇月〇日

(施主名)

ポイント:

  • 定型文だけでなく、故人との思い出に触れる一言などを加えると、より心がこもったメッセージになります。

  • 手書きで書くと、さらに丁寧な印象を与えられます。


新盆のお返しは、故人への供養の気持ちを大切にしながら、お供えをくださった方々への感謝の気持ちを伝える大切な機会です。この記事を参考に、マナーを守りつつ、相手に喜んでもらえるお返しを選んで、滞りなく新盆を迎えられるよう準備を進めてくださいね。

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