年収500万円・1000万円・2000万円!あなたの「手取り額」はいくら?意外と知らないお金の話
「年収1000万円あれば、すごくリッチな生活ができるはず!」そう思っていませんか?実は、年収が上がれば上がるほど、税金や社会保険料の負担も大きくなるため、額面通りの金額がそのまま手元に残るわけではありません。
この記事では、年収500万円、1000万円、2000万円というそれぞれのケースで、実際に手元に残る「手取り額」がどのように変わるのかを、具体的な計算例を交えながらわかりやすく解説します。あなたの未来の家計やライフプランを考える上で、ぜひ参考にしてみてください。
「額面」と「手取り」は何が違うの?
まず、「年収」として提示される金額は、会社があなたに支払う「額面(額面収入)」のことです。ここから、いくつかの項目が差し引かれて、実際にあなたの銀行口座に振り込まれる金額が「手取り額」となります。
差し引かれる主な項目は以下の通りです。
社会保険料:健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など
所得税:国に納める税金
住民税:住んでいる地方自治体に納める税金
これらの差し引かれる金額は、年収だけでなく、扶養家族の有無、住んでいる地域、年齢などによっても変動します。
年収別!手取り額シミュレーション
それでは、具体的な年収ごとに手取り額がどうなるのか見ていきましょう。今回は、独身で扶養家族がいない場合を想定した、おおよその目安です。
1. 年収500万円の場合
年収500万円は、日本の平均年収に近い金額帯です。
額面年収: 500万円
社会保険料: 約70万円~80万円
所得税・住民税: 約30万円~40万円
手取り年収: 約380万円~400万円
月々の手取り額にすると、約31万円~33万円程度になることが多いでしょう。額面に対して約75%~80%が手元に残るイメージです。
2. 年収1000万円の場合
年収が倍の1000万円になると、手取り額は単純に倍になるわけではありません。所得税の税率が上がったり、社会保険料の負担も大きくなったりするため、手取り率は下がります。
額面年収: 1000万円
社会保険料: 約140万円~160万円
所得税・住民税: 約150万円~180万円
手取り年収: 約660万円~710万円
月々の手取り額は、約55万円~59万円程度になるでしょう。額面に対して約66%~71%が手元に残るイメージです。年収500万円と比べると、手取り率は少し下がることがわかります。
3. 年収2000万円の場合
年収2000万円は、高所得者に分類される金額です。税金や社会保険料の負担割合がさらに高くなります。
額面年収: 2000万円
社会保険料: 約280万円~300万円(健康保険・厚生年金には上限があるため、年収1000万円から劇的に増えるわけではありませんが、雇用保険などは増えます)
所得税・住民税: 約450万円~550万円
手取り年収: 約1150万円~1270万円
月々の手取り額は、約95万円~105万円程度になるでしょう。額面に対して約57%~63.5%が手元に残るイメージです。年収が上がるほど、手取り率は着実に下がっていくことが明確になります。
なぜ年収が上がると手取り率が下がるの?
この現象には、日本の税制と社会保障制度の仕組みが関係しています。
所得税の累進課税制度: 所得税は、所得が高くなるほど税率も高くなる「累進課税制度」が採用されています。例えば、所得が195万円以下では税率5%ですが、4000万円を超えると最高税率45%が適用されます。
社会保険料の負担: 健康保険料や厚生年金保険料は、一定の所得までは上がりますが、上限額が設定されています。しかし、雇用保険料などは年収に比例して増えていくため、全体としての負担は大きくなります。
住民税: 住民税は所得にほぼ比例して課税されます。
これらの要因が組み合わさることで、年収が高くなればなるほど、額面に対する手取り額の割合が減少していくのです。
手取り額を増やすための賢い選択肢
手取り額を増やすためには、ただ年収を上げるだけでなく、税金や社会保険料の負担を軽減する工夫も大切です。
1. 控除制度を賢く利用する
iDeCo(個人型確定拠出年金): 掛け金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税を軽減できます。将来のための資産形成も兼ねられます。
NISA(少額投資非課税制度): 投資で得た利益が非課税になります。直接手取りが増えるわけではありませんが、将来の資産を効率的に増やすことができます。
生命保険料控除、医療費控除、ふるさと納税など: これらの控除制度を適切に利用することで、所得税や住民税の負担を軽減できます。
2. 副業・兼業を検討する
本業の他に副業で収入を得ることで、全体の収入を増やすことができます。ただし、副業の所得によっては確定申告が必要になる場合があるので注意が必要です。
3. 支出を見直す
手取り額がいくら多くても、支出が多ければ貯蓄はできません。家計簿をつけたり、固定費(通信費、保険料など)を見直したりして、無駄な支出を削減することも、実質的な手取りを増やすことに繋がります。
まとめ:数字の裏側を知って、賢いマネープランを!
年収が上がると、確かに生活の選択肢は広がりますが、税金や社会保険料によって手取り額は思ったよりも少なくなることがお分かりいただけたでしょうか。特に高所得になるほど、その傾向は顕著になります。
額面収入だけでなく、実際に手元に残る手取り額を正確に把握し、各種控除制度の活用や支出の見直しなど、賢いマネープランを立てることが、豊かな生活を送るための鍵となります。