夢の島サイパン?なぜ移住先候補から外れてしまったのか、そのリアルな理由に迫る!
青い空、透き通る海、白い砂浜…「サイパン」と聞いて、多くの人がそんな楽園のような景色を思い浮かべるのではないでしょうか。美しい自然に囲まれた南の島での暮らしは、まさに夢のようですよね。「いつか海外移住したい!」と考える方の中には、サイパンを移住先の候補の一つとして検討する方も少なくありません。
しかし、実際に調べてみると、サイパンが「理想の移住先」とは少し違う現実が見えてくることがあります。今回は、なぜサイパンが移住先候補から外れてしまうのか、そのリアルな理由を、移住を検討する上で知っておきたいポイントと共にお伝えしていきます。
憧れのサイパン移住、実はこんな「ギャップ」が…
サイパンが移住先候補から外れる主な理由は、いくつかの「ギャップ」にあります。美しいイメージとは裏腹に、住むとなると様々な課題が見えてくるのです。
理由1:意外と高い「生活費」と「物価」
南の島でのんびり暮らす…と聞くと、物価も安そうに思えるかもしれません。しかし、サイパンの物価は、想像以上に高いのが現状です。
- 輸入に頼る生活: 島国であるサイパンは、食料品や日用品のほとんどを輸入に頼っています。そのため、輸送コストが上乗せされ、スーパーでの買い物は日本の都市部とあまり変わらない、あるいはそれ以上の価格になることも珍しくありません。
- 住居費も高め: 観光地であるため、アパートやコンドミニアムの家賃も、気軽に住める価格帯ではない場合が多いです。特に、外国人向けの物件となると、さらに高額になる傾向があります。
- 光熱費の負担: 日本と比べて電気代や水道代が割高に感じることも。特にエアコンの使用頻度が高いことを考えると、光熱費は無視できない生活費の一部となります。
理由2:就労ビザの「ハードル」と「仕事の少なさ」
「移住」となると、仕事を見つけて安定した生活を送る必要があります。しかし、サイパンでの就労は、残念ながら簡単ではありません。
- 厳しい就労ビザの取得: サイパン(北マリアナ諸島連邦)で外国人が働くためには、厳しい就労ビザの条件をクリアする必要があります。アメリカ合衆国の管轄であるため、ビザの取得には時間も費用もかかり、審査も厳格です。
- 限られた職種と競争: 観光業が主な産業であるため、ホテルのスタッフ、ダイビングインストラクター、レストラン関連など、職種が限られています。さらに、現地の住民や他国の外国人との競争も激しいため、希望の職種を見つけるのは容易ではありません。
- 給与水準: 現地の給与水準は、日本の水準と比べると低い傾向にあります。高い物価の中で生活することを考えると、十分な収入を得られる仕事を見つけるのは、さらに難しくなります。
理由3:医療・教育環境の「限界」
安心して暮らすためには、医療や教育といったインフラも重要です。しかし、サイパンでは、その点でも課題が見えてきます。
- 限られた医療機関: 大きな病院や専門医の数が少なく、高度な医療が必要になった場合、国外(グアムや本土アメリカ、あるいは日本)に渡航しなければならないケースもあります。気軽に受診できるクリニックの選択肢も限られています。
- 教育の選択肢: 日本人学校はありますが、公立の教育水準や、多様な教育の選択肢を求める場合は、やはり不十分に感じるかもしれません。お子さんのいる家庭にとっては、特に重要な検討ポイントとなるでしょう。
理由4:意外と不便な「生活環境」
美しい自然は魅力的ですが、日常生活を送る上での利便性は、日本の都市部とは大きく異なります。
- 交通手段: 公共交通機関が発達しておらず、移動には自家用車がほぼ必須となります。車がないと、買い物や通勤が非常に不便に感じるでしょう。
- 娯楽の少なさ: 観光地ではありますが、長期滞在となると、テーマパークや大型商業施設、美術館など、日常的な娯楽の選択肢は限られてきます。自然を楽しむのが好きな方には良いかもしれませんが、都市的な刺激を求める方には物足りなく感じるかもしれません。
- インターネット環境: 比較的安定していますが、日本のような高速インターネットがどこでも手軽に利用できるわけではありません。リモートワークを考えている場合は、通信環境の確認も重要です。
それでもサイパンの魅力は色褪せない!大切なのは「目的」と「準備」
ここまで、サイパンが移住先候補から外れる理由を厳しく見てきましたが、サイパンの魅力が色褪せるわけではありません。
- 手つかずの自然: どこまでも広がる青い海、色鮮やかなサンゴ礁、美しい夕日など、自然の美しさは唯一無二です。
- 穏やかな気候: 年間を通して温暖で、日本の寒い冬から逃れて過ごしたい方には魅力的です。
- 温かい人々: 現地の人々は温かく、ゆったりとした時間の流れの中で、ストレスなく暮らせる環境でもあります。
重要なのは、「なぜサイパンに移住したいのか」という目的を明確にし、その上で「現実的な準備」を怠らないことです。
まとめ:理想と現実のギャップを知ることが、後悔しない移住への第一歩
サイパンへの移住を検討する上で、理想と現実のギャップを知ることは非常に大切です。物価の高さ、就労ビザの難しさ、仕事の少なさ、医療・教育環境の限界、そして生活の不便さといった課題は、長期的にサイパンで生活していく上で、大きな障壁となり得ます。
しかし、これらの現実を理解した上で、しっかりと準備をし、目的を明確にできる方にとっては、サイパンは素晴らしい場所となる可能性も秘めています。
南の島での暮らしは、確かに魅力的です。しかし、移住は「観光」とは全く異なるもの。入念な情報収集と、現地での長期滞在経験などを通して、自分自身のライフスタイルに本当に合っているのかを見極めることが、後悔しない移住への一番の近道となるでしょう。